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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、自律反発局面を迎える

連載 2017-06-23

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、前週の1キロ=180円割れから200円水準まで切り返す展開になった。

 5月下旬から6月初めにかけては当限主導の急落地合が形成されたが、逆鞘(期近高・期先安)状態の解消で下げ一服感が広がり、自律反発局面を迎えている。上海ゴム相場も1トン=1万2,000元台中盤で下げ一服。特に積極的に上値を買い進むような動きは確認できないが、短期的な売り材料の出尽くし感から、安値是正の動きが強くなっている。

 東京ゴムの6月限(当限)は312.30円をピークに185.00円まで急落したが、足元では210円台までの切り返しを見せている。当限に関しては、横浜地区の入庫などで受け渡し需給の安定化が予想されているが、僅か2週間程度で最大127.30円もの急落
相場になったことで、足元では修正圧力が強くなっている。

 季節要因から東京ゴムが順鞘(期近安・期先高)を形成する必要性は乏しく、当限主導の急落を更に進めることが困難になったタイミングで、ポジション調整の動きが活発化した。

 上海ゴムに関しても、中国の金融引き締め圧力が一服していることもあり、足元では若干のリバウンド傾向が見受けられる。あくまでも安値是正の動きであって先高観を形成することは難しいが、パニック的な急落相場は一応の落ち着きを取り戻した格好になっている。

 5月の中国新車販売台数は2か月連続で前年同月比マイナスとなった。中国汽車工業協会は9月まで市場が低迷する可能性を指摘しており、需要サイドに特に目立ったポジティブ材料は見当たらない。

 一方、供給サイドの状況は不安定化している。6月入りしてからはタイ中央ゴム市場の集荷量が急激に落ち込むなど、農家の売り渋り傾向が報告され、産地現物相場は強含んでいた。そのまま売り渋り傾向が更に強まれば産地主導のリバウンドというシナリオも存在したが、その後は集荷量が一定の回復を見せており、産地主導の本格的なリバウンドは見送られている。

 もっとも、1キロ=60バーツ割れはタイ政府の防衛ラインを下回ったことを意味し、生産コストの制約がゴム相場の下値不安を限定し易い状況になっている。一方で、産地相場は明確な上昇トレンドを形成するまでのエネルギーはなく、安値保ち合い気味の相場環境に移行し易い。

 引き続き自律反発に対して高い警戒レベルが求められるが、中国政府が本格的な流動性緩和を許容する可能性は低く、反発余地は限定される見通し。安値修正のリスクが高まるも、先高観を形成するロジックの形成は難しい。

(マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努)

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