【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、中国景気対策見極めで軟化
連載 2024-10-21
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=380円台前半まで下落し、9月24日以来の安値を更新した。上海ゴム相場の急騰が一服し、調整売り優勢の展開になった。中国政府の景気対策を巡る不透明感を受けて、投資家のリスク選好性が後退している。産地では天候不順が続いているが、もっぱら中国経済要因で上海ゴム相場主導の調整局面になった。

上海ゴム先物相場は1トン=1万8,000元を割り込み、9月24日以来の安値を更新した。10月8日には年初来高値となる1万9,850元まで値上がりしていたが、その後は乱高下を繰り返しながらも水準を切り下げている。
中国が国慶節の連休に入る前は、中国政府の景気刺激策への期待感から資源価格全体が大きく値上がりしていたが、国慶節の連休明け後に発表された景気対策はいずれも具体性を欠くもので、マーケットは特に財政出動に関しては規模と時期について、より詳細な情報を得たいとのムードに傾いている。非鉄金属や鉄鉱石など素材市況全体が様子見から利食い売りに転じており、その流れの中で上海ゴム相場も軟化している。
10月12日には藍仏安財政相が記者会見を行い、国債発行を大幅に増やすと表明した。低所得者への補助金支給、不動産市場支援、国有銀行の資本補充などに充てて、経済成長の回復を後押しする方針を示している。マーケットの注目度が高いイベントだったが、ここでも具体策については明らかにされなかったことで、上海ゴム市場では失望感の方が強かった。
年末に向けて中国政府は金融緩和と財政出動で景気を下支えする方針を示しているため、中国経済に関しては最悪期を脱したとの見方も強い。しかし、景気対策への期待感を必要以上に高めているとの警戒感もあり、2週連続で調整売りが目立つ展開になった。
一方、中国南部から東南アジアにかけては、引き続き豪雨が報告されている。本来であれば来年の減産期に向けて在庫の積み増しを進める時期だが、今季は豪雨や洪水被害の影響で生産が抑制されている。主産地タイでも年間生産高が前年比で10%以上落ち込むとの推計も出始めている。タイ気象庁からも、8月から2カ月半にわたって注意報が出され続けている。JPXゴム相場は期近3限月に大幅なプレミアムを加算した逆サヤ(期近高・期先安)を維持している。
タイ中央ゴム市場(ソンクラ地区)のRSS現物相場は入電なし。ただし、10月17日時点でUSSが前週比3.6%安の1キロ=80.57バーツ、ラテックスが同2.5%安の77.50バーツなど、産地現物相場は軟調。上海ゴム相場の動向が重視されている。
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