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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、円高の上値圧迫が続く

連載 2023-12-04

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=271.90円まで切り返した後、260円台前半まで軟化する展開になった。前週に続いて為替相場主導の展開になっており、円高圧力が円建てゴム相場の値下がりに直結した。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万3,000元台中盤まで下落し、9月1日以来の安値を更新。中国通貨人民元が対ドルで7月27日以来の高値を更新したことが、人民元建てゴム相場の値下がりに直結した。

 為替相場のボラティリティが著しく高まる中、消費地市場では通貨高がゴム相場の値下がり圧力に直結している。引き続き米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了観測が強いが、ウォラーFRB理事が数カ月先の利下げの可能性に言及すると、米金利低下・ドル安圧力が加速し、相対的に円と人民元相場が対ドルで大きく上昇した。ドル/円相場の場合だと、11月22日の1ドル=149.74円を戻り高値に、29日には146.65円まで下落している。1週間で3円を超える円高・ドル安圧力が、円建てゴム相場の値下がりを促している。9月12日以来の円高・ドル安水準になっているが、さらに円高・ドル安が進行するのかが注目されている。

 タイ中央ゴム市場(ソンクラ)のRSS現物相場は、11月30日時点で前週比1.4%高の1キロ=55.23バーツ。産地相場は不安定な値動きが続いている。

 産地では豪雨が一服し、気象環境は安定している。今後は雨季から乾季に向かうことで集荷量が徐々に落ち込む時期になるが、これまでの豪雨による集荷トラブルの反動もあり、11月末に向けては高水準の集荷量が確保された。このため、供給サイドのリスクを積極的に織り込む必要性は乏しく、産地主導の値動きは限定されている。今後は乾季による集荷量の減少がみられるかが焦点になるが、現時点では供給不安は限定された状態になっている。

 実際に消費地相場では期近限月にプレミアムを加算するような動きは確認できておらず、若干の順サヤ(期近安・期先高)が形成されている。

 需要サイドでは、特に目立った売買材料は見当たらない。中国の11月製造業PMIは前月の49.5に対して49.4となっている。依然として活動の拡大・縮小の分岐点である50は下回った状態にあるが、中国経済に対しては過度の悲観も楽観も要求されていない。世界経済の減速懸念も強いが、鉄鉱石や石炭相場も人民元高の影響で若干上値を圧迫される程度の値動きに留まっている。

 11月24日に11月限が受渡日を迎えたが、受渡価格は257.00円となった。10月限の378.40円を121.40円下回っている。

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