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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、地政学リスク浮上も底固い

連載 2020-01-13


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=200-204円水準まで小幅値位置を切り上げる展開になった。昨年12月13日の204.70円をピークに、23日には192.00円まで下落していた。しかし、年末・年始を挟んでじり高の展開に転じ、200円台を回復する展開になっている。

 上海ゴム先物相場も、12月中旬には調整売りが広がり、12月26日安値は1トン=1万2,615元に達していた。しかし、年末・年始を挟んで1万3,000元水準を回復しており、東京ゴム相場と同様にじり高の展開になっている。

 2020年のマーケットは、年明け直後から中東の地政学リスクに直面することになった。昨年12月の段階からイラク国内においてイスラム教シーア派民兵組織と米軍との間で対立が続いていたが、1月3日に米軍がイラン革命防衛隊のスレイマニ司令官を殺害し、8日にイラク国内の米軍基地がイランの報復攻撃を受けるなど、混乱状況が続いている。

 ただ、トランプ米大統領は軍事力行使に慎重姿勢を示しており、米国とイランが無秩序な戦闘状態に突入するとの警戒感が後退する中、地政学リスクの織り込みには一服感も浮上し始めている。

 ゴム相場と中東における地政学リスクの関係性だが、強弱双方のインパクトがある。

 地政学リスクの高まりが投資家のリスク選好性を後退させる点に注目すれば、値下り対応が支持されることになる。実際に非鉄金属相場なども世界経済や投資環境の先行き不透明感を嫌って軟化している。

 一方で、原油価格が高騰していることは合成ゴム価格の押し上げ要因になることに加えて、インフレ懸念を高めることで、ゴム相場の値上がり対応が支持されることになる。

 今回の地政学リスクに対しては、ゴム相場は原油相場との連動性をやや重視する動きになったが、全般的に明確な方向性を打ち出すには至らなかった。

 一方、産地相場は12月の急落地合から切り返しを見せている。1月9日時点のタイ中央ゴム市場では、USSが前週比2.6%高の1キロ=40.40バーツ、RSSが同4.5%高の42.77バーツとなっている。集荷環境などに特段のトラブルなどは報告されていないが、産地相場の堅調地合も、消費地相場を下支えしている。

 昨年10月以降、東京ゴム市場では海外ファンドの売買動向が価格形成の主導権を握っているが、年末・年始を挟んで積極的な売買は行われていない。地政学リスクを背景にマーケット環境が大きな混乱を見せる中、ゴム市場では様子見に徹した市場参加者も多かった模様だ。

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