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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、円安で堅調、上海は横這い

連載 2018-05-14


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1kg=190円台前半まで値上がりする展開になった。上海ゴム相場は安値ボックス状態を続けているが、大型連休を挟んで為替が円安方向に振れたことが、円建ての東京ゴム相場を押し上げた。一時は3月16日以来の高値を更新している。

 上海ゴム相場に関しては、1トン=1万1,000元台での保ち合い相場が続いている。若干上値を切り上げる動きを見せているが、1万2,000元台までコアレンジを切り上げる動きはみられず、概ね4月から続くレンジを踏襲するだけの展開に留まっている。

 米国のイラン核合意離脱を受けて原油相場は急騰しているが、天然ゴム市場はこうした動きの影響を殆ど受けていない。合成ゴムの原料であるナフサ価格の高騰、更にはインフレ懸念などを手掛かりに上昇トレンドを形成するストーリーも描けたが、実際には目立った反応を見せていない。

 中国市場では、他の産業用素材市況も動意を欠いており、完全な膠着状態に陥っている。こうした中、東京ゴム市場では消去法的に円相場の動向が注目を集めており、米金利上昇圧力を起点とした円安圧力がいつまで続くのかが注目を集めている。

 産地では減産期のピークを迎え、現物相場は総じて底固く推移している。タイ中央ゴム市場でもRSS現物相場は1kg=50バーツ台定着が進んでいる。集荷の低迷に加えて、生産国が市況対策再開の兆候も見せる中、産地相場は急騰こそないが底固い展開が続いている。ただ、産地主導で東京や上海ゴム相場を買い進むような動きはみられなかった。

 タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナムの4カ国は、ゴム価格支援の政策介入の方向性で基本合意し、5月中に会合を開催する方針が示されている。ただ、その後は具体的な動きが報告されておらず、どのような政策介入をどの時点で開始するのかなど、全く分からない状況にある。これまでの経緯を重視すれば、1-3月期と同様に輸出規制が基本になるが、その1-3月期の国際ゴム相場は寧ろ下落していたことで、マーケットの期待感は必ずしも高まっていない。実際の政策発表が行われた際に、反応が見られるか否かが注目される程度である。

 底固い産地相場と連動して上値を切り上げる訳でも、過剰在庫を背景に下値を切り下げる訳でもなく、上海ゴム相場は安値膠着化している。東京ゴムも出来高低迷に加えて取組高も落ち込んでおり、売買テーマが定まっていない。円相場への対応を基本にしつつ、新たな相場テーマの浮上を待つ時間帯になっている。

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