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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上海安、円高で調整売り

連載 2018-01-29


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1㎏=200円台前半まで小幅下落する展開になった。1月16日には昨年9月28日以来の高値となる216.30円まで上昇していたが、その後は買い玉整理の動きが優勢になっており、逆に12月22日以来の安値を更新する軟調地合になっている。

 年初から強含みに推移していた上海ゴム相場が1トン=1万4,500元で頭打ちとなり、1万3,000元台後半まで軟化していることが嫌気されている。また、為替が大きく円高方向に振れたことも、円建ての東京ゴム相場を下押しした。

 上海ゴム相場は昨年12月から1万4,000元を挟んでの攻防が続いているが、年初からの上昇地合でも新たなトレンドは形成できず、再び1万4,000元割れに回帰している。ただ、そこから本格的に売り込むような動きが観測されている訳ではなく、方向性は定まっていない。

 中国株式市場は連日の高値更新となっており、国際原油相場も急騰している。こうした状況からは中国素材市況に対して買いが膨らむシナリオも十分に想定できたが、非鉄金属相場が伸び悩んだこともあり、上海ゴム相場は調整売り優勢の展開になった。

 国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しにおいて、2018年の成長予想を昨年10月時点の3.7%から3.9%まで引き上げた。こうした動きは天然ゴム需要見通しの引き上げ圧力に直結するものだが、この種のデータも特に材料視されていない。

 一方、産地ではタイ、ラオス、カンボジアの降水量がやや抑制されているが、インドネシアやマレーシアでは潤沢な降雨が観測されている。これから徐々にウインタリング(落葉期)に伴う減産シーズンに突入するが、タイ中央ゴム市場の集荷量などは安定しており、産地主導の値上がり圧力を確認するまでには至っていない。唯一、東京ゴム市場で順サヤ(期近安・期先高)が形成されていることから、今後に季節要因に伴う需給引き締まりのプレミアムが若干加算されているのが確認できる程度である。

 上海ゴム相場は1月中旬との比較でコアレンジを切り下げているが、持高調整の域を脱していない。中国の鉄鉱石、石炭といった他の素材市況も上値が重いが下げ渋る中途半端な値動きに留まっている。

 急激な円高環境下にあって東京ゴムの下振れリスクは高まるが、200円の節目を大きく下回るような値動きになるには、上海ゴム相場の値崩れが必要不可欠になる。2月15~21日の中国旧正月まで大きな動きはなく、このままボックス気味の展開が続くとの見方も勢いを増し始めている。

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