【エッセー】
学生から見た就職活動(後編)
その他 2017-09-12
成蹊大学 教養カリキュラム 全学教育講師 鈴木賞子
インターンシップを体験した学生は職業の選択肢が広がった、働くことや職業理解が深まったと言います。例えば、営業という仕事は同じではなく企業によって違いがあることがわかります。社会人とのコミュニケーションやマナー、社内外との協力など、自分の目で見て感じて成長できることはたくさんあります。
インターンシップの体験は良い想い出ではなく、その後の就職活動に活かすことが大事です。そういう意味では短期インターンシップより、ある程度の期間のインターンシップ体験が有効だと思っています。
一方で、インターンシップを受け入れる企業の体制やプログラムがしっかりしていないと逆効果になることもあります。働くことに失望したり、何も得られないままにインターンシップを終える学生もいます。その場合には企業への印象も悪くなるかもしれません。
短期インターンシップが増えて従来のインターンシップが少なくなってきたのが残念です。受け入れ側の企業の大変さは理解できるので仕方ありませんが、インターンシップは学生にとって、ビジネスの現場に直接触れる良いチャンスであり、働く社会人を身近で見て影響を受ける貴重な場なのです。
企業にとっては、業界や事業内容を理解してもらい興味を持ってもらう良いチャンスなのです。知名度やイメージが先行して企業や職業を選択してしまえば、ミスマッチで短期間で辞めてしまいます。インターンシップは体験すれば有利なのではなく、目的意識を持って臨めば学生にとって就職活動において視野が広がるのは確実です。
【プロフィール】
成蹊大学教養カリキュラム全学教育講師
大学卒業後、メーカーの人事採用・教育担当として8年勤務。その後出版社に4年勤務して人事コンサルタントとして独立。その間多くの企業と行政機関で採用のアドバイスをしたり人材育成にあたる。一方で学生に就職セミナーなどでアドバイスにあたる。これまで延べ約20万人の学生が参加。
現在は企業の人材育成にも関わりながら、大学の教員として本務校だけでなく複数の大学でキャリア教育や就職アドバイスにもあたる。一つの大学の学生の傾向ではなく、多くの大学の学生の傾向もつかめるのが強み。
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