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【エッセー】

学生から見た就職活動(前編)

その他 2017-08-31

成蹊大学 教養カリキュラム 全学教育講師 鈴木賞子

 最近の学生の気持ちが読めない、という企業の人事担当者が増えています。仕事柄、人事担当者に話を聴く機会が多いのですが、採用活動における人事担当者の悩みは以下のように大別されるような気がします。

 ①結局、学生は大手志向なので、内定を出しても規模や知名度で辞退されることが多い
 ②内定を出して本人は入社する意志があるのに、保護者が反対して結局辞退される
 ③内定辞退が遅いので、その後の採用計画が立てづらい

 人事担当者が感じていることに対して、学生の立場になって就職活動をとらえてみます。 

 最近、就職活動が本格化する前にインターンシップを体験する学生が増えています。インターンシップと言えば、基本は春休みや夏休みの長期休暇に1週間から2週間で職業体験をするものですが、最近は1日-3日などの短期インターンシップが多くなってきました。以前は3年生の12月に企業情報のWEB解禁でしたが、倫理憲章で3月に変更になり、それまで企業は学生に対して何もアピールできません。従って短期インターンシップは企業説明会、または青田買いとして有効な手段になっています。学生の関心も高く、インターンシップから就職活動が始まっていると言えます。従って参加しないことが不利になると焦る学生も多くなっています。私個人としては、インターンシップはやはり短期間ではなく、一定の期間で体験するのが望ましいと思っています。働くことの奥深さは理解できないからです。もちろん、インターンシップだけで働くことが理解できるわけではありませんが、仕事や企業を考えるきっかけにはなります。大企業以外にも目を向けるチャンスにもなります。特にBtoBの企業を理解するには良い機会となっています。

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