【エッセー】
学生から見た就職活動(前編)
その他 2017-08-31
成蹊大学 教養カリキュラム 全学教育講師 鈴木賞子
就職情報会社の調査によると、学生が企業を選ぶポイントは①将来性がある②給与・待遇が良い③福利厚生が充実している、の順になっています。特に「給与・待遇」「福利厚生」「休日・休暇が多い」など待遇重視の傾向が強まっています。これは企業の安定性や将来性、仕事へのやりがいを重要視していないのではなく、それは前提であってその上で重要視していると言えます。最近、働き方改革やブラック企業などが取り上げられるので、自分の時間も確保し生活を大事にしながら働きたいという考えの現れです。しかし、待遇や福利厚生などの意味を理解していないことも多く、イメージでとらえている傾向があると言えます。働くこと以外の生活を企業がどのようにサポートしているのか、入社後どのように育ててくれるのか企業は学生にアピールすべきです。
優秀な学生には複数の会社から内定が出ます。最終的に会社を選択する際にどのような選択をするのか。就職活動をするプロセスで第一志望の企業から内定が出たら、その企業に入社を決める学生が多かったのですが、最近は第一志望など明確に決めないで就職活動をすることも多く、内定が出てから悩む学生も多くなっています。例えば知名度の高い大企業から内定をいただいても、最終的に決めるのは自分がやっていけそうな企業や仕事だったりします。仕事にやりがいは感じても、やっていけるかどうか不安になるようです。特にこの傾向は女子学生が強く、総合職より一般職を選択することが多いのもそのためのようです。保護者(特に母親)の影響力も大きく、そのために保護者訪問を行う人事担当者も増えています。
最近の学生は生まれた時から社会は節約モードで、そのため考え方もお金に対しても堅実です。お金をかけずに日常的に情報が入手できる便利な環境です。良くも悪くも情報は生活や様々な選択に影響を与えます。
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