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【エッセー】

学生から見た就職活動(後編)

その他 2017-09-12

成蹊大学 教養カリキュラム 全学教育講師 鈴木賞子

 前回に引き続き、学生の就職活動について述べます。

 最近「インターンシップ」という言葉をよく聞くと思います。もともと医者や美容師などを目指す方々のシステムで、新卒一括採用がないアメリカでは学生が就職先を探す有効なシステムです。

 日本では、2年の春休みや3年の夏休みに企業や行政機関での職業体験をするものです。学生にとってはアルバイトの経験では得られない貴重な職業体験の場となります。学生のアルバイトは接客などを中心としたサービス業が多いので、インターンシップで様々な業界や企業で職業体験をすることは就職の選択肢が広がって良い経験なのです。

 一般的にインターンシップは春休みや夏休みの長期休暇に1週間から2週間ほどの期間で職業体験をします。ホテルなどは2カ月ほど行うこともあります。海外企業や航空会社など幅広い業種がインターンシップを行っています。またベンチャー企業に多いのですが、半年から1年ほどかけて授業の合間に長期的にインターンシップを行う企業もあります。この場合は職業体験というより、社員の一員として役割を与えられることが多いようです。

 しかし、このインターンシップにも近年大きな変化が起きています。それは短期インターンシップが多くなってきたことです。倫理憲章での就職活動のスケジュールの変更で、企業が学生に対してWeb上で情報公開ができるのが3年生の3月になったからです。

 以前は3年生の10月解禁、その後12月解禁だったので、就職活動が本番化するまで学生にとって企業研究をする期間がある程度ありました。しかし、現在は3月解禁ということで学生にとってかなり時間が少なくなったのが事実です。企業にとっても、それまで自社の情報を公開することができません。その点において短期インターンシップは企業にとって情報を発信する有効な手段・場です。

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