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研修を終え、33人がゴム人として深い絆を結び卒業

関西ゴム技術研修所、第63回卒業式を開催

その他 2025-06-10

 関西ゴム技術研修所(駒水謙二所長)の第63回卒業式が6月3日、大阪科学技術センター(大阪府大阪市)で開催され、33人が9カ月間、のべ84日・206時間を超える研修を経て卒業した。

駒水所長や来賓、卒業生との記念撮影


式辞を述べる駒水所長


特別講義を行う加藤進一氏


 当日は卒業式を前に、加藤進一加藤産商代表取締役社長が「ゴム原材料の世界マーケット、世界と日本との違い」を演題に講演。世界の合成ゴムメーカーと日本メーカーの生産規模の違いをはじめ、ゴムの配合設計の考え方の違い、そしてトランプ関税が及ぼす世界のゴム産業への影響について解説した。

 引き続き卒業式に移り、研修経過報告のあと、駒水所長が「関西ゴム技術研修所の第63回研修生は派遣企業の理解もあり、ほぼ予定通り研修を修了できた。ゴムの技術者は我々ゴム業界の手で育てようという精神で、この研修所は開設され、実施されてきた歴史を持つ。講義では、自分の中の疑問が解決するまで繰り返し質問している人が日に日に増えていき、それにつれて出席率も高くなっていた。ゴム工業がどのように成り立っているか、理解できたと思う。皆さんはまだゴムの初級編を学んだだけでこれからの中級編に向けて足掛かりを得たに過ぎない。今後は自分の職場での課題点があれば改良し、どうしたらいいか迷った時は研修所のテキストを見返したり、講師に相談したりして、課題解決できるように活躍されることを祈っている」と述べ、式辞とした。

 続いて卒業証書授与に移り、33人の卒業生を代表して大阪ソーダの恒川唯氏が証書を受け取った。このほか特別賞をはじめ、各賞受賞者が発表された。

 特別賞各賞では近畿経済産業局長賞(28教科で平均99.1点以上)の手塚裕也氏・三ツ星ベルト、板垣智大氏・浪華ゴム工業の2人、大阪府知事賞(同97.7点以上)の蓮池広奈氏・ニッタ、庄司智明氏・共和、虫明陽大氏・バンドー化学の3人、大阪ゴム工業会会長賞の前中優輝氏・ユー・エム・アイ、前川永輝氏・住友ゴム工業、井下章子氏・ヨツギテクノの3人、そして研修生から選ばれる山下晋三賞には吉武拓馬氏・星ゴムが選出され受賞した。続いて出席率90%以上、平均点数85点以上の23人に成績優秀賞が、出席率100%の23人には皆勤賞が、出席率95%以上の8人には精勤賞が授与された。

祝辞を述べる十川大阪ゴム工業会副会長


祝辞を述べる大阪ゴム薬品商同業会鈴木理事長


祝辞を述べる北川日本ゴム協会関西支部支部長


 来賓として近畿経済産業局の山根理産業部次長をはじめ、大阪府の岡正人商工労働部中小企業支援室ものづくり支援課主任専門員、大阪ゴム工業会の十川利男副会長(十川ゴム社長)、大阪ゴム薬品商同業会の鈴木雅雄理事長(鈴五商事社長)、日本ゴム協会の北川紀樹関西支部支部長が出席し、それぞれが、研修所卒業までの努力と今回習得した知見や技術を各企業に戻っても応用・活用してほしいこと、さらに研修所で知り合い、深い絆で結ばれた研修生達が今後ゴム産業の発展に寄与し、活躍することを望む旨のあいさつを行い、研修所卒業生33人の門出を祝した。

 最後に、卒業生を代表して手塚裕也氏が「日々の業務と研修の両立は容易ではなかったが、第一線で活躍されている講師の講義は眠気も吹き飛ばされるほど興味深い内容だった。研修所では立場や人間性など、異なる仲間と出会い深い絆を結ぶことができた。今後はそれぞれの職場に戻るが、刺激し合える関係性でいたい」と謝辞を述べ、卒業式を閉会した。

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