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研修を終え、39人が卒業

関西ゴム技術研修所、第61回卒業式開く

その他 2023-06-12

 関西ゴム技術研修所(駒水謙二所長)の第61回卒業式が6月6日、大阪府大阪市の大阪科学技術センターで開催され、39人が卒業した。

卒業生の記念撮影


 卒業式の前に、恒例の特別講演が行われ、今回はTOYO TIRE取締役執行役員の守屋学氏が「開発者の心構え」と題して講演した。

式辞を述べる駒水所長


特別講演を行うTOYO TIREの守屋氏


 守屋氏は1989年にTOYO TIREに入社しOEタイヤ開発部門に配属され、その後、REタイヤ開発にも携わった。技術畑一筋に歩み、2021年に取締役執行役員・技術統括部門管掌に就任し、技術部門のトップとしてTOYO TIREの技術開発をリードしている。

 講演では、最新のタイヤ開発の動向を解説するとともに、今後開発者として活動する研修生に対して貴重なアドバイスを贈った。

 開発者にとっては①コミュニケーション力②主体性を持って行動する③コスト意識④顧客第一主義⑤生産性の向上――が重要であるとし、①では伝える力を磨き相手を納得させ、信頼を勝ち取ることの重要性を、②ではごまかしや言い訳をせず、自分でやり遂げる責任感が重要だとアドバイスした。

 続いて行われた卒業式では、研修経過報告のあと、駒水所長による式辞があり「今回の研修は、コロナに影響されることなく予定通り実施できた。研修中は皆熱心にメモを取り、講師への質問も活発だった。成績も良かった。研修生間の交流・懇親も活発で、大変印象に残る研修生たちだった。受講した研修は初級だが、ゴム産業の幅広い技術が学べる内容だ。今後は自身の職場で、モノづくりに取り組んでほしい」とあいさつした。

 続いて、卒業証書授与、成績優秀者に贈られる近畿経済産業局長賞、大阪府知事賞、大阪ゴム工業会会長賞が授与された。

祝辞を述べる大阪ゴム工業会の十川副会長


 来賓の祝辞では、大阪ゴム工業会の十川利男副会長が「今年好調の阪神タイガースはA.R.E.をスローガンにしている。AはAimで目標、RはRespectで謙虚な気持ち、EがEmpowerで力を与えるというものだ。このスローガンのもと快進撃を続けている。このスローガンは、卒業生の皆さんも大いに当てはまると思う。目標に向かって、諸先輩方に感謝し、そして個々人が最高の結果を残していってほしい。今後、このような気持ちを持って企業や社会に貢献していってもらいたい」とあいさつ。

祝辞を述べる日本ゴム協会の網野会長


 続いて日本ゴム協会の網野直也会長が「ゴムの技術はノウハウ的な部分がかなり多い。そういう意味で、研修所でも実習が多かったと思う。実際にゴムに手を触れて、自分で実験をするのは大変重要なことで、そこから気付くことは多い。実際に製品開発をする時も、現場でゴムがどのような加工を施されているのか、製品がどのような状況で使用されているのかを見るのは非常に大事だ。職場に戻ってからも、現場を見て感じることを、忘れないようにしてほしい」とあいさつした。

 最後に、卒業生代表が謝辞を述べて閉会した。

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