コロナ禍でも60年の歴史止めない
関西ゴム技術研修所、2カ月遅れの入学式
その他 2020-11-17
関西ゴム技術研修所(駒水謙二所長)の第59回入学式が11月2日、東大阪市荒本の化学物質評価研究機構大阪事業所で行われた。今期は26企業から35人の研修生が入学した。例年は6月に前期の卒業式を経て9月に入学式が行われているが、今回は新型コロナウイルスの影響で卒業式は7月に行われ、入学式はこの11月の開催となった。
今期の卒業式は2021年7月21日を予定。研修は81日間にわたり、基本例年と変わらないカリキュラム内容と受講時間の中でゴムの基礎を学ぶ。講師の都合等ではオンライン形式での対応も考えている。研修生は検温、うがい、手指の消毒とソーシャルディスタンスを取った指定席制や机、イスなど周辺の消毒も徹底し感染予防対策をとっての研修となる。
入学式であいさつに立った駒水所長は「まずは新型コロナがまだ続いている中、研修に参加された皆さんと研修生を派遣いただいた各企業に感謝したい。入学に際し、研修生の皆さんに知ってもらいたい2つのことを話したい。
1つは研修所創設の理念は“ゴム技術者は、我々ゴム業界の手で育てよう”ということ。研修所のスタートは、1962年の高度経済成長の時代で、約60年の歴史がある。その当時は優れた技術者を採用することが難しい時代であったため、大阪ゴム工業会の会員企業の経営者や日本ゴム協会関西支部の役員が相談し、研修所が創設されたという経緯がある。
研修所ではゴムの技術を分かりやすく理解できるように研修内容を計画している。分かりにくいところは、質問をして、貪欲に技術を吸収してほしい。
2つ目はコミュニケーションを大切にしてほしいということ。研修所は研修生同士のつながりをとても大切にして運営をしており、その関係は一生の友人になるかも知れない。皆さんの今の心境は、研修期間やっていけるのだろうかと、とても不安でいっぱいだと思うが、研修所からは既に2,300人以上もの卒業生がおり、企業で活躍されている。安心してほしい」と語った。
今回は密を避けるため来賓のあいさつと大阪ゴム工業会など来賓の臨席は無く、大阪ゴム工業会、兵庫ゴム工業会、化学物質評価研究機構からの祝電が披露された。
その後、特別講演として関西ゴム技術研修所の名誉所長で工学博士の山口幸一氏による「ゴム工業概説」が行われ、コロナ禍においても60年間の歴史を止めることなく、研修はスタートした。
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