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コロナ禍で卒業式は開催せず

関西ゴム技術研修所が第58回の研修を修了

その他 2020-08-07


 ゴム工業の一般並びにゴム技術に係る基礎を学ぶ関西ゴム技術研修所(駒水謙二所長)の第58回の研修生36人が7月22日、全研修を終えて卒業認定を得たことが明らかになった。関西ゴム技術研修所では7月31日に卒業式を予定していたが、新型コロナウイルス感染の状況を鑑み、卒業式は中止とした。

 昨年9月3日の入学式後、36人の研修生は81日間・201時間にわたって各カリキュラムを受講する予定だったが、今年2月25日に政府から出された「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の策定」を受ける形で2月28日からの講義からは延期に入り、5月25日に解除宣言が出るまで研修の再開めどが立たないままだった。駒水所長が中心となってカリキュラムを再編し、2つの見学会と卒業式に予定していた特別講義は中止としたものの74日間・177.5時間でカリキュラムを終了、全員が卒業に至った。

 研修時には、関西ゴム技術研修所の事務局や運営委員、教場を管理する化学物質評価研究機構(CERI)大阪事業所の職員らが一丸となって消毒、検温をはじめ座席間隔の維持と固定席化、換気、研修生の使用設備の制限などあらゆる視点をもって感染防止策を講じ、安全で安心して受講できる体制を整えて研修生を支えてきた。そうした体制の中、26人が100%出席の皆勤賞を受賞、平均点85点以上で出席率90%以上の成績優秀賞には29人が該当し受賞している。

 特に成績が優秀だった研修生に与えられる近畿経済産業局長賞には、髙須直人(バンドー化学)、三木翔太(大阪ソーダ)の2氏が受賞。大阪府知事賞には、竹田梨紗(タツタ電線)、河尻育美(加貫ローラ製作所)、加茂慎治(共和)の3氏が受賞。大阪ゴム工業会会長賞には唐津秀一(TOYO TIRE)、山崎一樹(同)、山田諒(ユー・エム・アイ)の3氏が受賞。また研修生の全員投票によって選ばれる山下晋三賞には松本拓也氏(十川ゴム)が輝いた。

 ■駒水謙二所長の式辞(要約)
 第58回の研修生のみなさん、卒業おめでとう。今回は新型コロナウイルス感染症に大きく影響され予定していた卒業式も中止することになった。みなさんには大変申し訳ないと思っているが、この第58回の研修生は一段と印象に残る研修生となった。感染症の収束後には同窓会を開催したい。

 大阪府以外の他府県から長い時間をかけ通った研修生もおり、公共交通機関の利用という感染リスクもあったが、無事に最後まで研修を成し遂げた。

 受講した研修は、ゴム工業におけるゴム技術の初級編となるが、ゴム工業がどのような構成で成り立っているのかを理解できたと考えており、この点は、他の講習会と一番の違いだと自負している。

 この10カ月間は、大変ご苦労だったが、みなさんは確実に成長した。これからも、一緒に学んだ仲間と共に進んで欲しい。

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