テーマは『今さら聞けない!射出成形』
葛飾ゴム工業会、宿泊研修会を開催
その他 2019-06-27
葛飾ゴム工業会(武者英之会長=三協物産社長)は6月14日‐15日の日程で、「宿泊研修会」を開催した。今回は『今さら聞けない!射出成形』と題し、改めて射出成形工程の研修を行うため、サンコーゴム成田工場(阪本淳一社長、千葉県成田市)及びカワイチ・テック成田工場(川口秀一社長、同)を訪問した。
当日は9時に京成成田駅に集合し、最初の訪問先サンコーゴム成田工場に。見学に先立ち武者会長は「私たちは、日頃射出成形に携わっていることも多いが、射出成形とは、と問われると返答に困ることもある。そこで改めて射出成形の現場を見て、知識を深めて欲しい」とあいさつした。
サンコーゴム成田工場は、日本を代表するヘルメットメーカーSHOEIのヘルメット用ゴムや樹脂パーツを主体に、自動車用ゴムブーツ類などを生産している。ヘルメットは、ドライバーの安全性の確保はもちろん、ベンチレーションシステムやシールドシステム、インカム付属など高機能化が進んでおり機能や形状が複雑化している。このため同工場では、約50台の最新鋭射出成形機などが稼働している。見学したのはこれら設備機器を駆使し、厳密な品質管理体制のもと生産されているシールド窓ゴムや内装パットなどのライン。高度にプログラミングされた射出成形機から高速に生産される製品類に参加者は興味深く見入っていた。さらに温度や湿度などが厳重管理された金型保管庫も見た。
次の訪問先カワイチ・テック成田工場の建屋は、元々米国資本の研究施設として建設されており、セキュリティ対策が厳格に運用されていることに感心していた。セキュリティ対策により、配合レシピなどの秘密保持対策も万全なほか、強力な空調設備などで管理されたクリーンな環境の中で、チタンホワイトコンパウンド、熱硬化性樹脂コンパウンド、シリコーンゴムバッチ、各種カラーバッチなどが各種射出成形材料などとして生産されている。このうち見学は徹底したコンタミ防止対策や自動化が図られた白物生産ラインのほか、効率的にレイアウトされた黒物生産ライン、さらに新製品開発の拠点の試験室などを見学した。また、新規開発品で注力展開している、汚れた水に入れると瞬時に浄化可能な浄水用凝集材「KTパウダー」の実演も行われ、水がすぐに透明になる様子に参加者は驚いていた。
見学の後、成田商工会議所の工業部会長を務めている川口カワイチ・テック社長の案内で成田商工会議所を訪問した。同会議所では、成田市の産業振興政策や、今後の交流促進政策、人材不足の対応などに関して意見交換を行った。
その後宿泊先のアパホテル京成成田駅前などで、意見交換会や懇親会を開催した。
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