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REACH規制の最新動向について

日本ゴム精練工業会、第5回研修会を開催

その他 2019-02-06

あいさつする野田会長


講義する齋藤主幹


 日本ゴム精練工業会(会長=野田明志TPRノブカワ社長)は1月29日、東京駅前のアットビジネスセンター東京駅で会員ら31人が参加し「第5回研修会」、「会員交流会」、「懇親会」を開催した。冒頭野田会長は「今回は要望が多い化学物質規制をテーマにした。特にREACH規制は、有害性の疑いのある化学物質まで対象としており、対応が混沌としている。本日は最新の化学物質管理の知識を得て、日常業務に活用して欲しい」と概要あいさつした。

 「研修会」では、住化分析センター健康・安全事業部の齋藤昇二主幹が『REACH規制の最新動向』と題した講義を行い、(1)REACH概要~登録後物質の管理と枠組みを中心に~(2)各物質群の規制状況①フタレート類②フッ素系化合物③PAH④ナノ材料(3)EU化学品規制の方向性/まとめ、の各項目別に解説した。まずREACHの目的は、ヒトの健康と環境の高レベルの保護及びEU市場での物質の自由な流通確保と、EU化学産業の競争力強化と革新、にあると説明した。

 各物質群の規制状況に関して齋藤主幹は、登録完了は単なる通過点で、登録物質を対象にスクリーニングや評価などが行われ、より安全な物質への代替化を目的に様々な規制措置適用が検討されている、と総括した。

 この各物質群の規制に関し、物質ごとに説明された。フタレート類は、一部物質に生殖・発生毒性や、内分泌撹乱作用が認められたと報告。このため主要フタレート(DBP、DIBP、DEHP、BBP)に関し、ECHA(欧州化学機関)が成形品のヒト健康及び環境リスク評価の結果、許容できない積算リスクを確認し、厳しい措置を課す動向にあり注視する必要があると語った。

 フッ素系化合物に関しては、環境残留性・蓄積性及び生殖毒性などの懸念が指摘された。各国は厳しい規制を提案しており、齋藤主幹は中でもパーフロロ系の欧州事業環境は、かなり厳しい状況になる可能性もあると説明した。

 PAHは、環境残留性・蓄積性、発癌性、変異原性、生殖毒性の懸念があると説明した。このため人工芝地の充填材や遊び場、スポーツ用具などへの充填材用途への上市禁止などが決定されたと説明した。

 ナノ材料に関しては、特異な挙動や量子効果などによる高活性(毒性)の懸念もあるとしている。このため粒径分布や表面積、結晶系などに基づき分類されたカテゴリーごとに物性・毒性・環境挙動や影響及びリスク評価が原則必要となり、20年1月1日からナノ材料の規制も本格化する可能性があると説明した。

 齋藤主幹は、まとめとしてREACH規制の方向性として、環境起因のプロセスや健康、福祉に関するリスクからの欧州市民の保護を目標に、13年に欧州議会・理事会が採択した。これに基づき18年までに「化学に依存しない手段を含む持続可能な代替化手段の開発・革新を促進するための連合戦略」策定方針に基づき、欧州委員会は関連報告書を作成・公表したと説明した。

 さらにEU委員会戦略検討報告書では、追加的・包括的規制の枠組みの必要性に言及し、規制が一層強化される可能性もあると齋藤主幹は指摘した。またECHAの5年計画案では①評価及び規制措置適用の加速化②ナノやEDなど新規懸念に対する規制戦略と測定法開発③動物試験代替法の開発支援④事業者側の対応促進―が図られるのに加え、REACH運用も一層厳しくなる。これを受け欧州事業を維持・拡大のためには動向に注意し、仮に規制適用の動きがみられる場合には、客観的証拠を積み上げ、リスクが許容範囲にあることを繰り返し説明する必要があると思われる、と齋藤主幹は講義を結んだ。

 「会員交流会」では、主に化学物質管理体制の現状に関しての意見交換が行われた。大半の企業が化学物質管理に取り組んでおり、特に欧州圏に輸出している顧客からはRoHS指令対応のDOPフリー混練を求めるケースが増えているなどとの報告があった。

 「懇親会」では、角一ゴム工業の畑中康平社長の乾杯の発声で懇親に入り、歓談の輪が拡がった。

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