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47人が出席

建築ガスケット工業会、令和5年度第2回技術セミナーを開催

工業用品 2024-03-25

 建築ガスケット工業会(会長=二瓶修和富双ゴム工業社長)は3月15日、東京・浅草の台東区民会館で「令和5年度第2回技術セミナー」を47人が出席し開催した。

あいさつする二瓶会長


 冒頭二瓶会長が「PC構造についてや、話題の木造高層建築、さらに近年注目されているリサイクルの一例として、塩ビに関する講演となっている。これらに関しての知見を、仕事に活用してほしい」とあいさつした。

 セミナーではまず竹中工務店北海道支店酒向昇設計部長を講師に「設計者が歩むプレキャストコンクリートの冒険~PC建築の歴史と表面仕上げの実践~」の演題で行われた。酒向部長は、日本ではPC建築の導入当初は万年塀程度だったが、ここ数十年で多様な建築物が建造されていると、写真や設計図を交えて解説した。PC構造建築の進化には、テクノロジーの発展が複雑な構造設計実現に貢献していると説明した。

 さらにPCの表面処理やデザインも多様化しており、PCへの混合素材として各地の著名な岩石などに加えて、ゴムを型枠に採用するなど、表面加工の事例も説明した。また木造建築には、都市部におけるCO2吸収への貢献や森林の有効活用など、多くのメリットがあると説明した。

 次にYKK AP技術研究本部大山雄也有機材料・製法技術チーム長を講師に「YKK AP独自の塩ビリサイクルについて」の演題で行われた。

 大山チーム長は、①YKKグループの会社紹介②水膨潤ゴムを活用した窓用止水部品、に大別して説明した。水膨潤ゴムは、高吸水性樹脂をゴムに混練して製造するが用途を検討した結果、窓用止水材として製品化に至った。その経緯を説明した。開発当初は、水分を吸収し膨張するまでに時間が掛かるなど課題があったが、研究の結果、水分が浸透してすぐに膨張し止水機能を発揮する製品が開発できたと説明した。

 なおYKK APでは、窓の断熱性向上のために樹脂フレームを採用し「樹脂窓」として製品化している。しかし製造時の端材や、古くなった樹脂窓回収などが課題としている。来年度からは、これらのリサイクルに本格的に取り組むと説明した。一環として、樹脂窓などのリサイクル材の、製品内部構成材としての利用などを検討している。将来的には端材や樹脂窓のリサイクル率を100%に近づけていくと説明した。

 講演に続き、松永正美建築ガスケット工業会技術幹事(北星ゴム工業テクニカルセンター技術部主管)が「改正労働安全衛生法」の概要を説明した。改正後は「化学物質管理者」や「保護具着用管理責任者」が必要となると説明された。「小分けした化学物質はラベルを貼る」ことも要求事項と説明した。

 次に建築ガスケット工業会大塚徹技術委員長(タケチ技術開発部部長)が「JIS A57565、A5760原案作成委員会の進捗状況」説明を行った。昨年11月の作成委員会終了後、経済産業省との調整が現在進捗しており、今年夏頃にはJIS化の見込みと報告された。

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