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【緊急寄稿】

TOCOMがTSR上場計画 18年度中頃、ヘッジニーズの吸収と指標価格提示が目的

原材料 2017-10-23

 また、RSSとTSRの双方を上場すれば、投機筋に対しては両市場の価格差を利用した裁定機会も提供されることになり、売買の活性化による流動性拡大も目指されることになる。シンガポールの先物市場ではRSSよりもTSRの市場規模が大きく、国内外価格差を利用した売買なども増加すれば、市場の安定化に寄与することになる。

 一方で、ここ最近のTOCOMでは売買高の低迷が深刻な問題になっており、ゴム市場の取引がRSSとTSRで分散すると、ともに市場機能を果たせなくなる最悪の事態に陥るリスクもある。

 実際に石油市場では、ガソリンだけでも「バージ」と「ローリー」、更にそれぞれにスワップ取引まで上場した結果、いずれのマーケットでも流動性の低下が深刻化している。

 このため、現在のTOCOMの市場規模からは、二兎を追って一兎も得られない可能性がある危険な動きになるかもしれない。

 ただ、来年はRSSとTSRの双方の指標価格が発信され、ヘッジと投機の場が提供される体制に変わる予定であり、ゴム業界にとってもこの新しいマーケットの活用は検討対象になろう。

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