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【緊急寄稿】

TOCOMがTSR上場計画 18年度中頃、ヘッジニーズの吸収と指標価格提示が目的

原材料 2017-10-23

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅努

 東京商品取引所(TOCOM)は10月12日、2018年度中頃を目途にゴム市場にTSR先物取引を上場する計画を発表した。

 現在、TOCOMでは「RSS3号」が取引されているが、それに並行する形で「TSR20号」も上場する予定だ。

 天然ゴムには大別してRSSとTSRの二区分が存在しており、RSSは樹液をシート状に凝固・燻製、TSRはラテックスを粉砕してブロック状に成型したものを指す。

 日本では伝統的にRSSの生産比率が高いタイ産が好まれて輸入されていたため、先物市場でもRSSが標準品になっていた。しかし、近年はインドネシアやベトナムといったTSRの生産比率が高い国からの調達が増えており、2016年度の場合だとタイ産は全体の32%に留まり、インドネシア産が65%に達している。TSRの比率は10年前の4割から8割程度まで拡大している。こうした取引実態に先物市場も対応するのが、今回のTSR上場の最大の目的になる。

 今回上場が予定されているTSRも標準品はタイ産になる予定だが、国内流通の中心がRSSからTSRに移行する流れに対応することで、現物筋のヘッジニーズを吸収すると同時に指標価格を提示する目的がある。

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