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「YAOKI」の月面撮影・画像データ送信成功に貢献

三菱ケミカルグループ、高剛性・軽量の航空宇宙用途部材が月面探査車に採用

原材料 2025-03-18

 三菱ケミカルグループの航空宇宙用途部材を使った月面探査車YAOKI(ヤオキ)が、日本時間3月7日未明に月面に到着し、月面での撮影、地球への画像データ送信に成功した。

 YAOKIは、ロボット・宇宙開発ベンチャーのダイモンが開発し、三菱ケミカルグループも参画する民間プロジェクトとして、日本初の月面で稼働した月面探査車となった。

 ■YAOKIに使用されている三菱ケミカルグループの製品・技術

 ①スライダーの構造設計:コンプライアントメカニズム
 通常の射出成形では造形が不可能な複雑形状を、スーパーエンジニアリングプラスチックを用いた射出一体成形で実現。

 ②本体・デプロイヤー(ケース):シアネートエステル樹脂製CFRP (炭素繊維強化プラスチック)
 高耐熱性と高強度を両立したシアネートエステル系の炭素繊維強化プラスチック。YAOKI本体を従来のアルミからCFRPに切り替えることで、月面の厳しい温度環境に耐え、耐衝撃強度の安全率を5倍に高めることに成功、さらに30%の軽量化を実現。

 ③タイヤ:PAI(スーパーエンプラ・ポリアミドイミド)
 ポリアミドイミド(PAI)樹脂を押出/圧縮成形した素材で、連続使用温度が250℃のスーパーエンジニアリングプラスチック。耐寒耐熱性、耐摩耗性、衝撃強度に優れており、落下時の衝撃に耐えられる。

 ⑤レンズ: レゴリス付着抑制コーティング剤
 月を覆う砂「レゴリス」がレンズに付くことを防ぐ、付着抑制コーティング剤。レゴリスは、約50ミクロン(1ミリの20分の1)の細かく尖った粒子で、このコーティング剤により、走行中に巻き上がったレゴリスがレンズに付着することを防ぐ。

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