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長坂会長「一層の技術力向上を」

カーボンブラック協会、「設立70周年記念大会」を開催

原材料 2018-10-17

あいさつする長坂会長

 
 カーボンブラック協会(長坂一会長=東海カーボン社長)は10月9日、15時から東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷において「第21回年次大会」を、会員や来賓ら約100人が出席して開催した。

 今回は、カーボンブラック協会が1948(昭和23)年に設立されてから、今年で70周年を迎えたのに際し「設立70周年記念大会」として開催された。まず年次大会実行委員長の片小田茂樹三菱ケミカル炭素部門炭素企画部長が「協会が設立70周年を迎えられたのは、先人の方々の努力の賜物であり、これからも長い歴史に恥じぬように発展させていかなければならない。そのためには、今後とも協会への協力をお願いしたい」と開会あいさつを行った。

講演する竹内薫氏


 次に記念講演として、NHKの番組「サイエンスゼロ」にも出演していたサイエンス作家で理学博士の竹内薫氏による「ものづくりとIoT」と題した基調講演が行われ、出席者は熱心に聴講していた。

 休憩の後、長坂会長が「日本のカーボンブラック業界を取り巻く環境は、インド主体にカーボンブラック生産が急増傾向にあるなど、国内同業同士の競争ではなく国同士の競争となっている。生き残りのためには、各社が切磋琢磨し技術力などを高めることが重要だ。我々が有する技術力は、どの国にも劣らない。この技術力を維持するだけではなく、今後も成長可能なように、一層向上させて行ければ、業界のためさらには国のためになる」とあいさつした。

 続いて協会の小山篤専務理事が業界概況報告として①世界と日本の自動車、タイヤ、新ゴム、カーボンブラックの生産推移②国内自動車メーカーの生産推移③国内タイヤメーカーの出荷状況と海外生産推移④カーボンブラックの国内需給(輸入含む)の各項目について報告した。さらに牧野年宏環境・技術委員長(日鉄カーボン生産技術グループ)が環境・技術委員会活動報告を行い①カーボンブラックのリスク評価の対応②ISO/TC256国内審議団体への加盟対応③ICBAとのGHS分類関連共同宣言に関する対応、などに関し報告した。

 17時30分から懇親会が開催された。懇親会冒頭、来賓の経済産業省製造産業局湯本啓市課長が「カーボンブラック協会及び業界が今後も発展するように、経済産業省及び政府は様々な政策により業界を支援していく」とあいさつし、続いて大橋牧夫理事(旭カーボン社長)が「需要と供給のバランスをどの様に取っていくか、また最近の原材料の高騰など課題も多いが、これらを解決しより一層の発展のために、今後も一致団結して行こう」と乾杯の発声を行い、懇親に入った。

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