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18年3月期業績

日本ゼオン、売上高、営業、経常利益が過去最高

原材料 2018-05-08

説明する古谷岳夫取締役執行役員


 日本ゼオンが4月27日に発表した18年3月期業績は、売上高が3,326億8,200万円で前期比15.7%増、営業利益が388億8,100万円で同26.4%増、経常利益が408億9,300万円で同28.6%増、純利益が130億5,600万円で同43.6%減となり、売上高、営業利益、経常利益は過去最高を更新した。純利益はシンガポール子会社での固定資産減損損失が響いた。

 事業別では、エラストマー素材事業部門は売上高が1,945億7,000万円で同17.0%増、営業利益が221億6,900万円で同7.9%増。そのうちゴムは、売上高が1,380億円で同23%増、販売数量が36万トンで同17%増だった。販売数量は汎用ゴムが同20%増(国内2%増、海外33%増)、特殊ゴムが同5%増(国内横ばい、海外8%増)。汎用ゴムの海外は旺盛な需要に加え、住友化学との合弁会社「ZSエラストマー」を設立したことで、住友化学分の数量が含まれている。一方、特殊ゴムの海外はシェールガスのリグの稼働増が寄与した。

 ラテックスは売上高が192億円で同8%増、販売数量が13万トンで同7%増。化成品は売上高が347億円で同5%増、販売数量が13万1,000トンで同2%増だった。

 高機能材料事業部門は売上高が864億7,900万円で同15.3%増、営業利益が167億4,200万円で同70.3%増。

 その他の事業部門は売上高が539億2,800万円で同10.0%増、営業利益が32億600万円で同11.9%増。商事部門の売上高が前期を上回った。

 19年3月期業績予想は、売上高が3,200億円で前期比3.8%減、営業利益が320億円で同17.7%減、経常利益が340億円で同16.9%減、当期純利益が240億円で同83.8%増。為替の前提を前期に比べ約11円円高の100円に設定したことが、減収減益予想の主な要因。同社は1ドルに対し1円の円高で、売上高では12億円の減収、営業利益では4億円の減益に繋がる。

 エラストマー素材事業部門は売上高が1,840億円で同5%減、営業利益が170億円で同23%減を見込む。減収要因の大半は為替の前提によるもの。一方、営業利益は要因の半分が為替の前提、残りが原材料であるブタジエン価格。販売数量については「17年度に比べ、大きな変動はない」(日本ゼオン)とみている。

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