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【インタビュー】

東海カーボン理事・カーボンブラック事業部長真先隆史氏、需要好調だが、原料調達は頭が痛い

原材料 2017-12-04

 ■需給タイトなカーボンブラックの改善見通し
 先ごろ、インドで開催されたカーボンブラックのアジア太平洋国際会議に出席した。そこで2016年から22年までのアジア太平洋地域のゴムの使用量が示されたが、中国、インド、タイ、米国などを中心に年率3.1%増加する見通しのようだ。新興国の自動車生産は今後も増加する見込みのため、タイヤや自動車部品用途にカーボンブラックの需要は高まるだろう。需要側の減少は見通しにくい。

 一方の供給側は、生産すれば売れるだろうが、原料をどこから調達するのか。原料を簡単に手に入れることができない状況を考えると、供給側が増えるということも中々難しい。需要、供給の両面から、カーボンブラックがタイトな状況は続かざるを得ないと思う。その中で、当社としてはいかに安定供給を継続していくかだ。

 ■水性カーボンの状況
 インクに使用される水性カーボンは、知多工場内に3つ目となる新設プラントを建設中で、来年夏に完成する予定だ。同プラントが完成すれば、当面の生産体制は整うとみている。現在は、製法の見直しなどによりコストをいかに落としていくかをユーザーと一緒に検討している。

 またインク以外での新しい用途開発も進めている。水性カーボンの原料となるカーボンブラック(原体)を有していることは有利で、これを生かしていきたい。

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