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【インタビュー】

東海カーボン理事・カーボンブラック事業部長真先隆史氏、需要好調だが、原料調達は頭が痛い

原材料 2017-12-04


 足元、好調が続く東海カーボンのカーボンブラック事業。第3四半期(1-9月)も大幅な増収増益を計上した。「今は市場環境、市況に恵まれている一方で、原料調達が頭の痛い問題となっている」と語る真先隆史理事・カーボンブラック事業部長に話を聞いた。

 ■17年12月期第3四半期までの状況
 同期のカーボンブラック事業は、売上高が353億6,200万円で前年同期比27.2%増、営業利益が53億900万円で同61.7%増と好調だ。市場環境や市況に恵まれている。

 市場環境は、需要先である自動車・タイヤの生産が好調で、大きな追い風となっている。市況は、需要が好調なことに加え、当社も含めた世界のカーボンブラックメーカーが近年に不要な生産設備をシャットダウンしたこと、中国国内の環境規制などで、需要に見合った生産体制となっていることも寄与している。

 自動車およびタイヤ生産が極端に落ちなければ、来年も今の状況が持続するとみている。

 ■日本市場の状況
 日本市場はかつて、輸入品が需給環境を大きく変えたが、足元は安定した推移となっている。

 中国やタイ、インド、韓国など輸入相手国の国内需給がバランスしていることが要因だ。中国は環境規制が厳しくなり、カーボンブラックメーカーも生産の制約を受けている。この規制が継続する限り、中国のカーボンブラック生産が今以上に増加することは考えにくい。

 日本国内の需要は右肩上がりではないが、そうした事情を考えると、海外から余剰な製品が入ってくることはなく、安定した推移が続くだろう。

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