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【インタビュー】

東海カーボン理事・カーボンブラック事業部長真先隆史氏、需要好調だが、原料調達は頭が痛い

原材料 2017-12-04

タイの生産能力増強を深掘りして検討

 ■拠点別の状況
 日本(若松、知多、石巻工場)、タイはフル生産、フル販売の状況だ。一方、中国(天津)は、冬場の環境規制が厳しく、操業を落とさなければならない状況だ。そうした中で、天津は日系ユーザーを最優先して供給している。

 需要旺盛でフル生産の状況だが、2016年に生産を停止した石巻工場と天津の各1系列を再稼働する考えはない。

 石巻については、国内の需要に右肩上がりの絵を描くことができず、将来を見越して戻すことはない。一方の天津は、環境規制を含めカントリーリスクを考えると難しいだろう。

 タイは生産能力増強を、これまで以上に深掘りして検討していく。タイは以前、中国勢の攻勢が続いていたが、品質やデリバリー、中国の環境規制により、中国からの輸入ではなく、タイ国内で調達する地産地消に変化してきた。当社のタイ工場にとっては追い風だ。ただ、増強に際しては原料調達がネックになるだろう。

 ■懸念材料
 需要が好調な一方で、原料調達は頭の痛い問題だ。

 カーボンブラックの原料には、コークスの生産で副生するタール、タールを蒸留して製造されるクレオソート油という石炭系の油と、エチレン生産の残渣油であるエチレンボトム油および重質油の残渣油であるFCCボトム油という石油系の油がある。

 石炭系は、中国の環境規制によりコークス炉の稼働数が減っていることに加え、中国を中心としたリチウムイオン電池の負極材としてコークスの需要が増加している。コークスの原料は、カーボンブラック原料油同様にタールを蒸留して得られるため、石炭系原料油の供給量は極端に減っている。

 一方、石油系はエチレンボトム油は、シェールオイルによる米国の原油系の軽質化で減少しており、FCCボトム油は船舶の燃料油としての需要が活発だ。2020年からは船舶の燃料油に含まれる硫黄分に規制がかかるため、硫黄分の低いFCCボトム油の需要はこれまで以上に増していくとみている。

 石炭系、石油系原料ともに需要は旺盛な一方で、供給量は減っている。スポットなど価格も高騰してきており、当社としても安定調達のための新しい原料ソースを探している状況だ。

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