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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上海相場の投機色強まる

連載 2017-12-04



マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1㎏=190円台後半までリバウンドする展開になった。上海ゴム相場が安値から突然の切り返しを見せたことで、東京ゴム相場もつれ高している。為替市場で円高圧力が一服したことも支援材料となり、約2週間ぶりの高値を更新している。ただ、200円の節目を回復するには至っていない。

 上海ゴム相場は1トン=1万3,000元前半から1万4,000元台まで突然に急伸した。特に目新しい材料もなく、突発的な急伸と急落を繰り返しながらも、1万3,000元台をコアとしたボックス上限を打診する動きを見せている。11月21日には1万3,000元台を割り込んだばかりの相場だが、僅か1週間で地合が180度変わっている。

 人民元相場の急落、中国金利の急低下といった動きが見られるのであれば分かり易いが、場中に突然に急伸するような場面が散見されており、投機主導の相場展開としか評価できない。当面は突発的な乱高下が繰り返される不安定な値動きを想定しておく必要がある。

 こうした中で注目されていたのが11月の中国製造業PMIだったが、前月の51.6から51.8まで予想外の上昇になっている。10月は投資、鉱工業生産などの指標が軒並み悪化していたが、中国経済に対する懸念を緩和させる内容になっている。ただ、逆にこうした強めの指標を手掛かりに上海ゴム相場を買い進む動きも見られず、投機色の強さが否めない状況になっている。

 今年はラニーニャ現象型の気象環境になっており、アルゼンチンで乾燥、北米で暖冬など、世界各地で異常気象が報告されており、コモディティ市場をかく乱し始めている。ただ、天然ゴム生産地の集中する東南アジアでは一部で台風の被害を受けたものの、全体としては農産物の成育に適した気象環境が報告されており、天然ゴム供給環境に特段の障害発生などは報告されていない。

 産地通貨高の影響で産地通貨建て価格の低迷は深刻化しているが、現段階では市況対策の議論が本格化しているとは言い難く、産地主導の価格形成は見送られている。投機色が強い上海ゴム相場との連動性が重視されており、産地需給動向は殆ど材料視されていない。

 東京市場では11月限の納会値が184.50円となり、納会値としての今年最安値を更新してる。ゴム相場の実勢の悪さが再確認できる状況だが、上海ゴム相場主導の展開が続いている。そしてその上海ゴム相場が突然に急伸、急落する投機色の強い相場展開を繰り返している以上、目先は1万3,000元台をコアとしたボックスブレイクの有無のみに注目せざるを得ない。

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