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【特集】ゴム・樹脂コンベヤベルト

コンベヤの生産が回復基調に

工業用品 2017-11-06

 コンベヤベルトの生産が回復基調にある。先ごろ発表された日本ベルト工業会の統計によると1-8月累計生産量は、上期の低迷から脱し前年同期並みにまで回復した。輸出は引き続き低調だが、内需がセメント、石灰、電力・ガスなど、インフラ、エネルギー関連の活況により伸長した。生産は回復基調にあるが、原材料の高騰と製品価格の低迷でベルトメーカーの採算は悪化している。そこで主要各社は、7月以降ゴムコンベヤベルトの値上げを打ち出している。

 ゴムコンベヤベルトの1-8月累計生産量は9,649トンで前年同期並み。内需は6,687トンで同7%増、輸出は2,962トンで同13%減少した。

 輸出は、最大の資源消費国である中国の景気減速により、海外資源国向け需要が減少した。ただ、最大輸出先(輸出額の約25%を占める)であるオーストラリア向け(1-7月累計)は4割近く増加しており、一時の低迷から脱している。内需は、最大の需要先である鉄鋼メーカー向けは低調だが、セメント、石灰、石炭、紙・パルプ、ガラス、非鉄、自動車、電力・ガス、官需など軒並み需要が増加している。コンベヤベルトの今後の需要動向についてメーカー各社は、内需に関しては、東京オリンピックやリニア新幹線に関わる需要に期待している。輸出については、資源開発国の需要動向次第だが、資源の最大消費国である中国の景気が上向かない限り、コンベヤベルトの需要が大きく伸びる見込みはない。

樹脂ベルトは生産量が2ケタ増

 樹脂コンベヤベルトの1-8月累計生産量は79万1,946㎡で前年同期比13%増。品種別ではPVCが14万8,957㎡で同22%増、ポリウレタンが52万1,196㎡で同7%増、その他が12万1,793㎡で同33%増加した。

 樹脂ベルトは、主要需要先である食品分野、物流分野がともに好調。物流分野はネット販売が急速に普及したことで、配送拠点の拡充が進み需要が大幅に増加している。業界関係者によると、配送センターの新設案件は2020年まで続くと予想され、まだ数年、好調さが持続する見通しだ。

 食品分野は、食品工場での衛生管理がさらに厳しくなっており、洗浄性や抗菌・防カビ、異物混入防止などの機能性向上が強く求められている。また、食品衛生法の改正により、HACCPが食品関連企業に対して義務化される見通しだ。こうした市場環境を踏まえ、衛生管理機能をさらに高めた製品の開発に各社が取り組み始めている。

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