医療・介護や土木・建築分野に期待
【インタビュー】三和化工社長吉田典生氏、多品種・小ロット対応が強み
工業用品 2017-08-28
■研究開発拠点
本社は基礎研究・開発を担っており、FDC(フォームデザインセンター)を設置し、10人の技術開発担当者が日々研究開発に取り組んでいる。現在、取り組んでいる案件がセルロースナノファイバーの用途開発で、これは環境省から補助金を得ている委託研究事業だ。京都産業研究所と京都大学、企業の3者が参加する産官学による取り組みで、当社もメンバーに加わり、セルロースナノファイバーと発泡ポリエチレンを活用し、自動車や新幹線、エアコンなど工業用品用途での資材開発を進めている。ものづくり企業として、こうした取り組みにも積極的に対応している。
■今期業績と来期の計画
17年9月期は増収増益の見込みで、売上高は49億円ほどと予想している。今期は自動車関連が好調だった。モデルチェンジによる需要で上期(16年10月-17年3月)は対応に追われた。4-7月はエアコン向けが伸びた。また医療・介護関連が、ここ数年順調に伸びている。高級浴槽回りの保護材や浴槽用枕などの販売が伸びている。こうした製品群を当社ではSPMF(サンワ・プレス・モールド・フォーム)とネーミングして拡販をはかっている。これらの製品は生野工場と石岡工場で生産している。
来期は今期同様、増収増益を目指している。土木・建築市場での拡販に注力していく。東京五輪に関わる需要に期待している。
■今後の課題
国内は製品開発面で、これまで以上にきめ細かい対応をしていく必要がある。量を追うのではなく、付加価値の高い素材・製品の研究開発に注力していく。単なる素材供給メーカーから脱皮し、高機能製品を開発・販売するメーカーになりたい。海外については、成長市場である東南アジア市場を開拓していきたい。
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