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ゴム製誘導マットで視覚障害者の歩行支援を加速

錦城護謨、日本橋室町エリアの商業施設で実証実験に参加

工業用品 2025-02-21

 錦城護謨は2月1~2日の2日間、東京都中央区日本橋室町で開催された視覚障害者用歩行支援ツール実証実験「ワクワクプロジェクト」に参加した。

スタッフからの説明を受けた後、歩導くんガイドウェイを頼りにエレベーターへ向かう様子


 同社は、ゴム製歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」、トイレ誘導ライン「ガイドレット」、仮設用歩行テープ「ココテープ」の3製品を用い、日本橋室町三井タワー内のトイレまでの誘導およびトイレ内誘導、エレベーターまでの誘導、案内所までの誘導サポートを行った。

 使用者からは「以前よりよく認識できた」「他の支援技術と組み合わせることでより分かりやすくなった」と好評だった。

 同社は2007年にバリアフリー推進課を設立。創業89年のゴム部品製造技術を活かした開発力と技術力を強みに、視覚障害者の移動支援および関連ビジネス展開に取り組んできた。同社が製造・販売している「歩導くんガイドウェイ」「ガイドレット」「ココテープ」は、合理的配慮の実現を後押しするツールとして、今後さらに社会に普及していくことが期待される。同社では今回の実験結果をもとに製品改良を進め、視覚障害者の快適性向上と不安軽減に貢献していく。

 ■歩導くんガイドウェイ

 視覚障害者の歩行を安全に誘導するゴム製の誘導マット(屋内専用)。白杖で叩いたときの音や足裏の感触で目的地まで導くことができ、表面は凹凸がなく、なだらかな傾斜により、視覚障害者だけでなく、車いす利用者や高齢者、ベビーカー利用者もスムーズに移動できるユニバーサルデザインの誘導路。両面テープで簡単に設置でき、既存の施設にも柔軟に対応可能。これまでに公共施設、病院、オフィスビルなど、1200カ所以上に導入されている。

 ■ガイドレット

 バリアフリー化が進む中で約88%の視覚障害者がトイレ内のレイアウトに困っている現状を受け、サポートするために開発されたゴム製のトイレ誘導ライン。同製品は、長さ250×幅50ミリのスティック型マットを誘導線に沿って設置し、視覚障害者の安全かつスムーズな移動を支援。設置方法は両面テープを使用し、床を傷つけることなく既存の施設にも簡単に導入できる。

 ■ココテープ

 視覚障害者の歩行をガイドするためPLAYWORKSと共同で企画開発した幅48ミリの塩化ビニル製屋内専用テープ。携帯性に優れ、カバンに入れて持ち歩き、必要な場所に必要な時だけ貼ることで、視覚障害者の自主的な移動をサポートする。仮設利用を基本とし、特定の場面や場所で手軽に使用できるため、普段使いの移動から緊急時まで幅広く対応できる。

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