PAGE TOP

知財活用とデザイン経営の取り組みが評価

錦城護謨、「令和7年度 知財功労賞・特許庁長官表彰(デザイン経営企業)」を受賞

工業用品 2025-04-23

 錦城護謨は、経済産業省・特許庁が主催する「令和7年度 知財功労賞」において、特許庁長官表彰(デザイン経営企業)を受賞した。

表彰状を持つ太田泰造錦城護謨社長


 授賞式は4月18日に行われ、石破茂内閣総理大臣も出席。特許法公布140周年を記念して、産業財産権制度の普及や発展に大きな貢献をした企業、また、その制度を活用して地域経済の発展に顕著な成果を上げた企業に対し、内閣総理大臣感謝状が贈られた。

 知財功労賞は、知的財産権制度の発展や普及・啓発に顕著な功績のあった個人や知的財産を戦略的に活用し、事業の発展に貢献した企業などを表彰する制度。

 経済産業大臣表彰・特許庁長官表彰のほか、令和7年度は農林水産大臣表彰や大阪・関西万博特別賞も含まれ、各分野における優れた取り組みを称える表彰として総称されている。

 錦城護謨は「自分たちの技術に誇りを持ちたい」という思いから、自社ブランド「KINJO JAPAN」を立ち上げた。デザインは、単なるビジネスプロセスを整える手段にとどまらず、企業文化や社会貢献を深く考慮した総合的な概念として捉え、問いを通じて物事を本質から考える姿勢が評価された。

 また、「世の中の当たり前を変え、社会に貢献する会社であり続けたい」という信念のもと、クリエイターと共にインナーブランディングを行いながら商品開発を推進。自社の技術力と素材を活かした「KINJO JAPAN」のシリコーンロックグラスは、他にはない独自のデザインを追求した。

 さらに、2015年の発売以来、公共施設、病院、オフィスビルなど国内でシリーズ累計1,200カ所以上に導入されている視覚障害者歩行誘導マット「歩導くん ガイドウェイ」では、凹凸のない表面と、なだらかな傾斜を採用することで、視覚障害者をはじめ、車いす利用者や肢体不自由者、高齢者、ベビーカー利用者など、あらゆる人々が自由に移動できるユニバーサルデザインを実現。意匠も取得しており、その革新性が高く評価された。

 錦城護謨は2007年にバリアフリー推進課を設立し、創業89年のゴム部品製造技術を活かした開発力と技術力を強みに、視覚障害者の移動支援および関連ビジネス展開に取り組んでいる。同社が製造・販売しているゴム製歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」、トイレ誘導ライン「ガイドレット」、仮設用歩行テープ「ココテープ」は、合理的配慮の実現を後押しするツールとして、今後さらに社会に普及していくことが期待されている。

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 何を創る日本の半導体企業
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物
  • 海から考えるカーボンニュートラル