改革に効果、原料安も追い風
日東化工17年3月期、利益改善し黒字転換
工業用品 2017-05-15
日東化工が4月28日に発表した17年3月期業績(非連結)は、売上高は79億4,900万円で前期比13.8%減、営業利益は3億1,500万円で同93.8%増、経常利益は3億400万円で同103.1%増、当期純利益は3億3,000万円(前期は1億2,000万円の損失)となった。
同期は構造改革の一環として進めている不採算製品からの撤退や、コンパウンドにおける原材料安の売り値への転嫁により売上高は減少。一方利益面では、設備の稼働率向上による原価低減や固定費削減を進めたことに加え、原料安やユーティリティコストの低下も追い風となり大幅に改善。営業、経常利益は前期比倍増、純利益は14年度以来3期ぶりに黒字転換を果たした。この結果、期末配当は1株当たり1円と13年度以来4期ぶりに復配する。
セグメント別では、ゴム事業は売上高が57億4,100万円で同12.1%減。この内訳はコンパウンドが28億3,000万円で同14.0%減、シート・マットが15億300万円で同7.8%減、成形品が14億700万円で同12.6%減となった。
ゴムコンパウンドは原材料価格低下の売り値転嫁が主な要因で、販売数量は若干の減少に留まった。シート・マットは、マットは堅調だがシートは業界低迷を受けて減収。成形品は不採算製品からの撤退等で減収となった。
樹脂事業は売上高が21億7,800万円で同17.8%減。
なお、同社では今年度から19年度を最終年度とした中期3カ年計画をスタート。19年度の営業利益4億円を計画している。
今期は原料高で減収減益予想
今期(18年3月期)の業績見通しは、売上高が75億円で前期比5.7%減、営業利益が2億8,000万円で同11.4%減、経常利益が2億7,000万円で同11.4%減、当期純利益が2億2,500万円で同32.0%減。
売上高は一部残っている不採算製品の絞り込みや、コンパウンドの売り値低下を踏まえ減少予想。利益も現時点及び今後の原料価格上昇やユーティティリティコスト上昇を踏まえ減少を予想している。コストについては、「今期は大幅に上昇すると懸念している。現時点では製品への価格転嫁は考えていないが、今後の動きを注視していく必要がある」(同社)としている。
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