「伝動ベルトの材質はどう選ぶ?~多様な材質の特長と使用事例~」をテーマに
バンドー化学、ウェビナーを開催
工業用品 2023-09-27
バンドー化学は9月22日、「伝動ベルトの材質はどう選ぶ?~多様な材質の特長と使用事例~」をテーマにウェビナーを開催した。当日は明石貴光産業資材事業部営業部部長兼伝動営業グループグループ長がMC・講師を務めた。
ゴム製歯付ベルトの場合、使用されるゴム材料は、①クロロプレンゴム(CR)②エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)③ニトリルゴム(NBR)④水素化ニトリルゴム(H-NBR)⑤高弾性水素化ニトリルゴム(高弾性H-NBR)などがあり、それぞれ異なる特性を持っているため、使用用途や使用環境で適切なゴム材料を選択する必要がある。
例えば、CRは温度領域、ゴム強度などの汎用性に優れ、自己消炎作用がある。EPM/EPDMは耐熱、耐寒、耐オゾン性、高摩擦係数に優れており、摩耗性は低い。NBRは耐油性に優れ、配合によってはFDAも取得することができ、白色配合も可能。H-NBRは耐熱性、耐油性に優れているが、耐寒性・耐オゾン性は劣り、低摩擦係数。高弾性H-NBRは耐熱性、耐油性、永久圧縮歪みなど特性がH-NBRよりもさらに向上している。
ウレタンゴム製歯付ベルトの場合、使用される材料には熱硬化ウレタンと熱可塑ウレタンがある。
熱硬化ウレタンはウレタン部材を金型に注型して、熱で硬化させて固める素材で、高弾性かつ材料強度も優れている。ただ、再溶解はできない。一方、熱可塑ウレタンはウレタン部材を熱で溶解させて押し出し注型で製造する材料となっており、背面に突起形状など、後工程で熱融着させることが容易となっている。
また同社では、ゴムとプラスチックの利点を合わせ持ったポリウレタンエラストマー「バンコラン」を材料とした「バンコランベルト」を製造販売しており、高強度、高弾性、耐摩耗性、耐油性、耐荷重性が特徴となっている。
ウェビナーでは、ゴム製歯付ベルト、ウレタンゴム製歯付ベルトの材料別性能の違いを図表を使って詳細に解説。また、「農業/食品市場」、「医療市場」、「OA/金融/カメラ」、「搬送市場」、「産業機械市場」での使用事例を動画を交えて紹介した。
最後の質疑応答では、時間内に回答できないほど、多くの質問が寄せられ、盛況なウェビナーとなった。
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