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「軽搬送ベルトの蛇行を防止するためのワンポイントアドバイス」をテーマに

バンドー化学、ウェビナーを開催

工業用品 2024-03-22

 バンドー化学は3月21日、「軽搬送ベルトの蛇行を防止するためのワンポイントアドバイス」をテーマにウェビナーを開催した。

ウェビナーの様子


 今回は人事部の木下勝太氏がMCを、産業資材事業部技術部軽搬送用ベルト設計グループの河内俊介氏が講師を務め、主に食品や段ボールなどの比較的軽量のものを運ぶ屋内用途メインのコンベヤベルトにおいて、ベルトの「片寄り」に焦点を絞り、その発生原因やトラブル解決のためのワンポイントアドバイスを解説。また、「片寄り」を予防するベルトの取り付け方法や点検方法も紹介した。

 「片寄り」とは、ベルトが左右のどちらかに片寄ったまま走行している状態(左右の振れはない)ことを指す。

 「片寄り」の原因としては、①フレームの曲がり・ねじれ②テーブル走行時の左右の高さレベルが異なる③プーリがベルトに対して直角ではない④ローラがベルトに対して直角ではない⑤ローラの回転不良⑥小プーリのたわみ⑦トラフコンベヤの蛇行⑧搬送物が中央に載っていない⑨搬送物がプーリ・ローラに付着している(居つき)⑩搬送物温度または雰囲気温度が左右で異なる⑪油や食物残渣が潜り込んでベルトが収縮している⑫工程のなかに横乗りシュート部、脱荷装置部がある――などがある。

 ウェビナーでは、それぞれのケースに応じたトラブル解決方法を解説。⑨の搬送物がプーリ・ローラに付着しているケースの解決策としては、コンベヤベルト製品として、非付着性を付与したラインアップを紹介。ラインアップには、表面にシリコーンコーティングを付与した「ミスターシルキータッチ」、表面にフッ素樹脂フィルムを付与した「ミスターウルトラミラー」、表面をしゃもじ形状にした「ミスターNスティック」、表面帆布に非付着ポリウレタンを含浸させた「ミスターシルキーコート」などがある。

 また、ベルトを点検時のチェックポイントとしては、①ベルトの走行位置②ベルトの耳部③ベルトの汚れの有無④プーリの居つきの有無――に注意して点検することで「片寄り」の早期発見ができると解説した。

 ただ、ユーザーからは「管理に決まったルールがなく、ライン図も存在しない」、「ベルト本数が多く、管理しきれない」、「どの機械にどのベルトを付けているのか把握できていない」などの困りごとがある。

 同社のグループ会社であるバンドー・I・C・Sでは、こうしたケースに対応するために「ベルト点検サービス」を実施している。同サービスには、①フルコース②クイックコースがあり、フルコースでは、ライン全体を一斉点検し、ライン図を作成して見える化することで、その後のメンテナンスをスムーズに行うことができる。

 ウェビナーでは、最後にベルトの「片寄り」は機械側の調整、搬送物の調整、最適なベルトの選定で改善することができ、定期的な日常点検が重要と結んだ。

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