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「精密搬送用ベルトの選定方法」テーマに

バンドー化学、ウェビナーを開催

工業用品 2024-07-26

 バンドー化学は7月23日、「精密搬送用ベルトの選定方法~用途に応じた選定方法を事例とともに紹介します!~」をテーマにしたウェビナーを開催した。

ウェビナーの様子


 今回は産業資材事業部営業部伝動営業グループの林楽来氏がMCを、産業資材事業部技術部コンベヤベルト設計グループ主事(福井ベルト工業駐在)の荒木伸介氏が講師を務めた。

 「精密搬送」とは、ベルトでの直接搬送において、媒体と装置との間で情報の授与を行うため、高い位置決め精度、姿勢維持精度、搬送ピッチ精度および送り精度などが要求されるもので、こうした搬送は従来のベルト搬送と区別して精密搬送と呼ばれ、精密搬送の対象は位置決め精度±1ミリ以下とされている。

 精密搬送ベルトには、大きく分けて、「平ベルト」(PSベルト)と「歯付ベルト」(UVE:ウルトラ柔軟エコ、UVH:ウルトラ柔軟ハイブリッド、アウトサートベルト)がある。

 PSベルトは、つなぎ目がない平ベルト。カバー材質と心体(織物、編物)で構成されており、織物を心体としたベルトを「コーティングベルト」と呼び、経糸と緯糸を交錯させて作る。丈夫で形態が保ちやすいことから、伝動用や軽搬送用に使用される。一方、編物を心体としたベルトを「エラスティックベルト」と呼び、一本の糸がループ状で布目を形作る。伸縮性があることから、紙/紙幣搬送用として使用される。

 PSベルトは、カバー材質やカバー色調、心体材質や心体製法の組み合わせによって1万通り以上の種類があり、「耐熱性」「帯電防止」「食品衛生法」「摩擦係数」「耳ほつれ防止」など、さまざまな機能を付与することができる。

 PSベルトの新製品としては、耐油性と耐湿熱性を両立した「EXL-301」を開発。同製品は、東南アジアにおけるATMなどの搬送機器の普及率向上に伴うベルトに求められる耐湿熱性をクリア。また、近年、長寿命化の目的でポリマー紙幣の導入が増加しており、ポリマー紙幣のインク油成分などでベルトの膨張を抑制することできる。

 UVEは、ゴム部にEPDMを採用。①耐熱老化性に優れ、安定したグリップ力(搬送力)を維持②耐寒性に優れ、寒冷地でも曲げ癖がつきにくく、低い起動トルクで搬送が可能③耐オゾン性に優れ、高濃度オゾンに耐性がある④環境に優しい非ハロゲン系ポリマーを使用――が主な特長。

 UVHは、EXL-301と同様のゴムを採用することで、UVEよりもさらに適用環境条件を拡大した歯付ベルトとなっている。

 アウトサートベルトは、ウレタン突起付ベルトと樹脂を一体化した樹脂複合ベルト。小プーリでも搬送物のスムーズな乗り継ぎを可能にし、つなぎ目がないため、接合部での割れもない。突起部が注型一体成型のため、突起の加工費が不要で、かつ融着不具合がなく、突起部強度の信頼性が向上する。また、樹脂がベルト歯面側に巻き込まないため、回転駆動が可能な製品となっている。

 ウェビナーでは、各ベルト製品の具体的な採用事例を紹介。各用途に最適なベルト製品をアピールした。

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