世界初セルロースナノファイバー複合化ゴムを適用
バンドー化学、高負荷対応ダブルコグベルトの販売開始
工業用品 2024-03-29
バンドー化学は、大型バギー、大型スクーターなどに使用される変速ベルトの新たなラインアップとして、世界で初めてセルロースナノファイバー(CNF)複合化ゴムを適用した高負荷対応ダブルコグベルトを開発、4月から販売を開始する。
近年、大型バギーと称される全地形対応車(ATV)や多用途作業車(UTV)は、エンジンの高排気量化・高出力化が進み、無段変速機構で使用されるベルトに対する要求品質も高まっている。
同社ではこの要求に応えるべく、CNF複合化ゴムを適用した高負荷対応ダブルコグベルトの開発を進め、従来製品に対して伝動能力を大幅に向上させ、業界最高水準の低発熱性による長寿命化を実現した。今後も大型バギー、大型スクーターなどの伝動ベルト式変速機構搭載車両の高出力化を支える製品としてユーザーの要望に応えるとともに、長寿命化や駆動システムのコンパクト化によるCO2排出量の削減を通じて、持続可能な低炭素社会の実現にも貢献していく。
なお、CNFを用いた伝動ベルトの実用量産化においては、化学品メーカーである東ソーと連携して実施した、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発/研究開発項目[1]革新的CNF製造技術の開発」の成果を一部活用している。
伝動ベルトは、幅方向には高剛性を、長さ方向には柔軟性が求められ、これらの相反する特性を極大化することで高い伝動能力と耐久性を併せ持った理想の性能を発現する。また、ベルト使用時の変形に伴うエネルギー損失を抑制することで高効率な伝動特性を有する優れた省エネ性能を発現する。
同社は、これらの必要な性能を満たすため、カーボンブラックや繊維材料等の補強材料をゴムと複合化する配合設計を行うなかで、将来的な石油資源の供給リスク克服を見据え、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上の強度を有する植物由来の新素材であるCNFに着目し、その特長を活かすためのナノ分散技術の開発を進め、今回、ゴムの補強材料としての複合化に成功した。
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