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経団連会館にて

日本ゴム工業会、第28回幹事会を開催

工業用品 2023-02-01

 日本ゴム工業会(清水隆史会長=TOYO TIRE社長)は1月20日、経団連会館(東京都千代田区)で第28回幹事会を開催した。

 冒頭あいさつに立った清水会長は、「昨年の世界経済は、コロナ禍が続く中にありながらも前年に引き続き需要と供給の両面で回復傾向を辿ってきたと言える。一方、ロシアのウクライナ侵攻によって世界経済に亀裂が走ったため、資源、資材、食糧などが不足し、高騰に陥った。年の後半にはインフレに伴う各国の対応、特に米国の金利引き上げによって、一時は150円を超える大幅な円安となり、価格高騰が激化した。売り上げに対して原材料構成比率の高いゴム製品製造業にとってダメージは甚大であり、加えて、世界の分断によって原材料の安定供給面での問題も顕在化した。一方、半導体不足による自動車の減産で、関連の強いゴム工業用品や自動車用ホースなども大きな影響を受けた。事業規模、製造品目、輸出量の割合など、各社それぞれ事情は異なるため一概には言えないが、業界全体でみると想定外の困難に対峙した一年だったと思う。

あいさつする清水会長



 想定外のことが常に起こり得る環境、つまり変化が常態化している環境に我々は身を置いていると言える。えてして身構えすぎたり、目先のことだけに翻弄されがちだが、こうした時代には大きな流れを見に行かなければならない。ゴム産業にとって最大客先である自動車業界は、中長期的に見ても変革の真っただ中にある。これまでとは異なるプレイヤーが参入し、CASEやMaaSという言葉で語られるキーワードの一つひとつが、実社会の中に現実化されていく流れにある。これをチャンスとして捉え、自らの発展へと繋げるため、我々は技術革新とモノづくりの進化を追求し続けていこうではないか。

 次世代モビリティを求める地球環境時代にあって、2050年のカーボンニュートラルに向けた活動は、もはや社会的使命と言える。当会はそのマイルストーンである2030年目標への取り組みのほか、技能実習評価試験制度の運営、SDGsの適正取引への対応など社会的な責任を果たし、努めて社会の要請に応えていく必要がある。

 本年の干支は卯だ。屈めた身体と脚を伸ばして跳ね上がるという期待もある。卯という漢字は、門を表すとも言われている。ぜひとも一緒に門を開け、新しい挑戦を図っていきたいと思う」と語った。

 幹事会では、①2022年の新ゴム消費見込みならびに2023年の新ゴム消費予想に関する件②令和5年度税制改正関係事項③ISO/TC45国内審議委員会関係事項④労務委員会関係事項⑤中小企業委員会関係事項⑥資材関係の動向等について報告があった。

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