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議題は「ゴムを活用した人に優しい製品の創造実習」

朝日ラバー、埼玉大学でワークショップを開催

工業用品 2022-10-17

 産学官連携イベントがゴム業界でも活発になってきた。

 朝日ラバーは10月6日、埼玉大学先端産業国際ラボラトリー主催の第49回ヘルスケア・イノベーション・ワークショップで講演と実習を実施した。議題は「ゴムを活用した人に優しい製品の創造実習」。

講演の様子


 同イベントは、朝日ラバーが取り組む『ありがとうプロジェクト』(プロジェクトリーダー:安部浩一福島工場工場長)に則ったもの。同プロジェクトは、「従業員のアイディアを形にして、モチベーションを上げる」というコンセプトのもと、社内アイディアの具現化や、教育・社会教育に貢献、また地域活性化への貢献等を目的に行っている。プロジェクトを通し、朝日ラバー自体と製品の知名度向上や、ゴムをさまざまな人たちに知ってもらうことなどをゴールとしている。

 第1部講演では、「ゴムの基礎とその応用」をテーマに、朝日ラバー福島工場技術グループの山崎淳士氏と朝日FR研究所マテリアル光学材料チームの富澤延行氏が講師を担当した。通常の仕事は山崎氏は配合設計技術者として、また富澤氏は光学材料開発者として研究開発部門に従事している。

実習で使用した24色のシリコーンゴム(練りゴム)


参加者らによる作品


 第2部実習では、「シリコーンゴムによる粘土遊び・アイディアの具現化」を実施。粘土状(練りゴム)にしたシリコーンゴム24色が参加者に配布された。自由にゴムを組み合わせ、形にしたものを電子レンジで熱すると固まる仕組みだ。実習中は、参加者が粘土遊びを通して頭の中にあるアイディアを形にしようと、真剣に作品づくりに向き合う様子が見られた。

綿貫啓一埼玉大学大学院教授先端産業国際ラボラトリー所長


 今回、朝日ラバーを誘致し、同ワークショップの開催あいさつを担当した綿貫啓一埼玉大学大学院教授先端産業国際ラボラトリー所長は、「製品を作るうえで、技術面はもちろん重要だが、今後は人にいかに優しいか、信頼性があるか、また快適性が求められる。その中で、ゴムは最適な素材の一つだ」と、ゴム素材を選んだ理由を語った。

 大学として、ゴムの良さを世の中の人に知ってもらい、積極的に付加価値を創造してもらうこと、また関連するファンを増やしていくことは、使命の一つだとの考えだ。

 「朝日ラバーの取り組みは、アイディアの発想に非常に役立つ。学生や企業の方々に、ゴムに実際に触れてもらうことで、ゴムってこんな可能性があるのか、自分の製品の中に取り込んでみようと、刺激を受けてもらえると思う。

 今後もぜひシリーズ化していきたい。例えば医療やIT関係、もっと沢山の学生など、さまざまな人に触れてもらい、アイディアを具現化する機会を提供していけたらと思う」と綿貫教授は、ゴム素材への期待と展望を語った。

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