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稼働状態で展示しサンプリングにも対応

ホッティーポリマー、久喜工場に3Dプリンターの大型ショールーム開設

工業用品 2021-11-15

 ホッティーポリマー(東京都墨田区、堀田秀敏社長)は、主力生産拠点である久喜第2工場(埼玉県久喜市)ストックヤード2階に、3Dプリンターの大型ショールームを10月に新設し、11月から本格稼働を開始した。

3Dプリンターショールーム全景


クリーンな環境のミーティングルーム


 同社は2020年7月に、ドイツの3Dプリンター専業メーカー「innovatiQ(イノバティック)社」製の、高性能LAM(液体積層造形方式)シリコーン3Dプリンター「innovatiQ L320」を、国内工業用ゴム・樹脂製品業界として初導入。3Dプリンターによる受託生産や装置本体の販売などを積極化している。

 現在同社では「innovatiQ L320」のほかに、超低硬度の安定造形を可能とした同社独自開発の「エスディーズⅠ」、スーパーエンプラを含む様々な樹脂材料が使用可能なオールインワンモデルの「INTAMSYS FUNMAT PRO410」、スーパーエンプラでの造形を可能とした先進的3Dプリンターの「同HT」、ハイパフォーマンスで総合的な評価で№1を得ている「RAISE3D Pro2/Pro2Plus」、ハイパフォーマンスの業務用デスクトップ型3Dプリンターの「同E2」、デュアルヘッド搭載で2つの異なる樹脂での造形が可能な「Flashforge Creator Pro」、低価格ながらオートレベリング機能を備えた入門編3Dプリンターの「同FINDER」などを幅広く展開し、好評を得ている。

 今回オープンした3Dプリンターショールームは、3Dプリンターを一堂に展示するために開設された。面積は約100平方メートルを誇り、内部には「innovatiQ L320」や「エスディーズⅠ」など、数多くの3Dプリンターの主力機種が展示されている。

 いずれの機種も、導入後のイメージが分かるように稼働状態で展示されているのに加えて、ユーザーからの造形サンプリングオーダーにも対応可能となっている。

 さらにショールーム内の一箇所には、蒲田工業が施工したクリーンルームやエアシャワーも設置されており、よりクリーンな環境下での精密な造形作成も実現している。

内部にL320が設置されているクリーンルーム

先進的ソフトウェア「nTopology」も展開開始

 ホッティーポリマーでは、3Dプリンターの可能性をさらに拡げる、様々な機能を有する先進的エンジニアリングソフトウェアの「nTopology」の販売およびサポートも開始し、ショールーム内の3Dプリンターによるデモも行っている。

 3Dプリンターの発展に伴い、その特徴を最大限に活かすために、より自由度の高い製造特性を実現することを主眼に開発されたソフトウェアが「nTopology」。特徴として、①トポロジー最適化②ジェネレーティブデザイン③アーキテクティッド・マテリアル④シミュレーション⑤デジタルシボ、リブ⑥設計自動化⑦フィールドドリブンデザインがある。これにより、既存のCADから派生する機能形状を取り込み、エクセルなどによって定義されたパラメータを用いて様々なフォーマットへのアウトプットを可能としている。

 ホッティーポリマーでは、ゴム・樹脂製各種押出製品などの製造販売を今後も基幹事業として展開しつつ、今回開設したショールームを積極的に活用し、「3Dプリンターやフィラメントの開発、造形サービスなどの総合コンサルタント企業」として、一層の拡販に注力する方針だ。

堀田社長の話

 「3Dプリンターの販売促進は、DX(デジタルトランスフォーメーション)つまりデジタル技術によるビジネスの変革の推進に貢献すると考えている。3Dプリンターの導入により、試作工程などの削減が図られ、効率向上や金型製造コスト低減に繋がり、ビジネスを変革することができる。さらに、当社が積極推進しているSDGs活動の一環にもなっている。今後も創業以来の事業であるゴム・樹脂押出製品の製造販売を基幹事業として展開しつつ、3Dプリンター事業のサービスで相乗効果を高めていく」

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