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「ケムシェルパ」などについて

建築ガスケット工業会、技術研修会を開催

工業用品 2018-10-04

熱心に聴講する参加者

 
 建築ガスケット工業会(会長堀田秀敏ホッティーポリマー社長)は9月28日、東京・台東区の台東区生涯学習センターで技術研修会を開催した。今回はホッティーポリマー技術部の枝川圭氏による「ケムシェルパ(ChemSHERPA)の導入・運用に関して」、YKKAP安全環境管理部化学物質管理担当課長市川晃子氏による「グリーン調達ガイドラインについて」。

あいさつする堀田会長


 冒頭堀田会長は「ゴムなど高分子製品を扱う我々としては、含有化学物質の情報管理は必要不可欠で、本日も想定以上の出席者があり、関心の高さが伺える。今回の研修を、仕事に役立てて欲しい」とあいさつした。

 「ケムシェルパの導入・運用に関して」に関しての枝川氏の講義では、①化学物質管理について②ケムシェルパとは③ケムシェルパの導入手順④ケムシェルパの操作手順・注意事項――の順に進められた。まず枝川氏は、「なぜ化学物質を管理しないといけないのか」から講義を始め、化学物質が人体などの生態系や、地球環境に悪影響を及ぼすのを未然に防止する必要性があると説明した。企業側としては、どの様な対応が必要かを、自社の事例として①客先より製品に対する化学物質の調査依頼②製品に含有する化学物質の調査③化学物質の調査依頼に対して法規制を調査し適切な書式にて作成④回答を行うと同時にデータの保管・蓄積、という「製品含有化学物質管理サイクル」を実施し対応していると説明した。

 含有化学物質の情報伝達のためには①必要な管理対象の化学物質リスト②最小限の情報伝達項目と伝達形式③管理・伝達のツールが必要であり、この情報伝達の共通ツールとして、経済産業省が導入を推奨しているのがケムシェルパと説明された。

 次にケムシェルパの導入・使用手順の説明に入り、①ケムシェルパのホームページの紹介②ケムシェルパAIのダウンロード③ファイル内容の確認④ソフトの起動、画面内容の説明④ケムシェルパAIの作成⑤JAMP-AISからのコンバート、注意点⑥複合化――の順番に説明された。

 市川氏による「グリーン調達ガイドラインについて」では、YKKAPの環境への取り組みとして①環境経営方針②環境方針③環境行動指針④環境目標--が紹介され、これに基づきグリーン調達本方針が策定されていると説明された。

 同社のグリーン調達ガイドラインの基本的な考え方として①納入物品の環境負荷低減の取り組み②事業活動における環境負荷低減の取り組み③同社と取引先との環境への取り組み成果の共有④更なサプライチェーン上流への環境負荷低減の働きかけとしている。

 グリーン調達基準として取り組んでいる項目としては、①環境コンプライアンスの順守②環境マネジメントシステムの構築③化学物質の管理④温室効果ガス排出量の削減⑤資源循環・廃棄物の削減⑥生物多様性・水資源の保全を挙げ、ガイドラインの運用として調査項目や頻度、調査方法、現地確認、評価並びに調査結果の取り扱いに関して実践されている。

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