【特集】ゴム関連企業の海外進出<アセアン編>
バンドー化学、アジア市場でシェアNo.1めざす
工業用品 2018-05-09
バンドー化学は、2013年度から中長期経営計画「Breakthroughs for the future 」を推進している。同社は、中長計の指針の1つとして「グローバル市場戦略の進化」を掲げ、アジアを重点地域とし、ベルト事業分野でアジア市場シェアNo.1を目指している。強化策として、中国およびアセアン地域の各生産拠点を増強するとともに、市場深耕をはかっている。
アセアン地域については現在、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、フィリピンの6カ国7カ所に生産・販売拠点を置いている。
ベトナムでは、2012年4月に100%子会社「バンドー マニュファクチャリング(ベトナム)」を設立し、二輪車向けの伝動ベルトおよび関連製品の生産・販売を開始した。昨秋には、同社が立地するフンイエン省第2タンロン工業団地内の新工場に移転・拡張した。新工場の敷地面積は約1万8,000㎡で、ベトナム市場で今後も堅調な成長が予想される二輪車向けに伝動ベルトを生産するほか、農業機械、産業機械、OA機器向けの伝動ベルト、クリーニングブレード等を生産する。
タイには2013年3月、子会社「バンドー・マニュファクチャリング・タイランド」内に、アジア技術センターを開設した。海外では中国・上海に次ぐ2番目の技術センター。アセアンやインドでは、経済成長に伴い、日系メーカーをはじめ現地メーカーでも生産が拡大するとともに、各地域での開発機能の強化が進んでおり、アジア技術センターは、現地での技術サービスに対する要望に応えるために開設した。アセアンやインド地域での技術サービス力をさらに強化し、自動車用ベルト、一般産業用ベルトなどの自社製品に関する技術情報の提供や製品開発に向けた情報収集を行っている。
今年1月にはバンコクに新会社「バンドーアジア &パシフィック」を設立した。アジア市場における事業の促進と業務のさらなる効率化を図っていく。新会社は資本金が1,100万タイバーツ(約3,800万円)で、バンドーグループの100%出資。設立当初はアセアンおよびインドのグループ会社に対する業務支援と原材料調達の役割を担う。その後、段階的にマーケティングと販売促進、製品開発および域内の物流機能の統括へと業務を拡充させ、アジア大洋州市場における事業戦略の推進を図っていく方針だ。
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