【特集】ゴム関連企業の海外進出<アセアン編>
早川ゴム、タイでインフラ事業展開
工業用品 2018-05-09
早川ゴムがアセアン地域に進出したのは1996年。タイ・ラヨーン県に自動車用フロアーマットや家電用防音防振材を生産する合弁会社「ハヤカワイースタンラバータイ」(HER)を設立した。自動車や家電製品の一大生産・輸出基地として成長著しいタイに生産拠点を設け、現地の日系メーカーを中心に販売拡大し、現在に至っている。
早川ゴムは自動車、家電部品に加えて、同社の主力製品であるインフラ関連資材の販売拡大を図るため、タイ国のインフラ事業を支援している。その一環として、昨年、タイ国立のチュラロンコン大学VESC(Voluntary Engineering Student Camp)による河口堰の設置事業に、自社製品であるコンクリート用反応接着型止水材料「スパンシール」を無償で提供した。
VESCは同大学のボランティア事業として1969年から毎年1回のペースで実施され、水害対策としてのインフラ強化を目的に橋や堰の建設に取り組んでいる。45回目となった昨年は、映画「戦場にかける橋」のロケ地として知られる、バンコクの北東部カンチャナブリー県で河口堰を設置、今年はプラチュワップキーリーカン県の水道設置工事に、水道用フィルターや貯水池用の止水材を提供する予定。
現地施工には、ハヤカワイースタンラバーが協力している。早川ゴムはタイでのインフラ支援をきっかけに、HERを通じてタイ国内の止水事業や建築防水事業の市場調査を行い事業展開を進め、同社100周年にあたる2019年には、HERの売上高を1億バーツ(約3億5,000万円)にする計画。
また5月1日から6日までバンコクで開催される「ARCHITECT EXPO2018」に出展する。金属折半屋根用補修材用に防水・防音機能を持たせたシート(屋根平面用)や端部補修用テープをメインに出展しPRする予定。
同社の早川雅則社長は、アセアン地域での事業展開について「タイを中心にベトナム、インドネシアなどで、河口堰などのインフラや工場屋根防水など建設資材の販売を拡大したい」としている。
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