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2023年 増加への期待大きく

東部ゴム商組/ベルト・ホース流通動態調査、ホース好調もベルト停滞

商社 2023-04-17

 東部工業用ゴム製品卸商業組合(塩谷信雄理事長=バン工業用品代表取締役)はこのほど、9回目となる「2022年版ベルト・ホース流通動態調査」を発表した。

 同調査は、2022年12月20日にベルトホース部会員企業36社と同部会選定の組合員企業計56社にアンケートを送付、2022年1~12月を対象にその内容を集計したもの。回答率は80.4%だった。

 設問の中から売上高および物価高騰への対応に関する設問を紹介する。

 ■2022年の年間売上高
 前提として、2022年は値上げがあったため金額的には増加したが、販売量はそれに比例しない。また、需要はあるが材料の供給不足などから売り逃した可能性もあり、統計結果にも影響していると考える必要がある。

 結果をみると、ホースは好調だった一方で、ベルトは伸び悩んだ。品目別では、ホースは空圧チューブを除く4品目、ベルトでは伝動Vが順調だった。順調さの指標となる上位2回答計から下位2回答計を引いた数値では、ホースは高圧ゴムが+36、ゴム+22、樹脂+21、高圧樹脂+12と全体的に好調だった。ベルトは伝動Vが+19、搬送樹脂が+7、伝動歯付が±0と堅調だった一方で、伝動その他が-19、プーリが-13、搬送その他が-9、同ゴムが-4、空圧チューブが-1とマイナス回答も多かった。

 ■2023年の売上高予想
 全品目で中位回答「95~105%未満」が最多だが、上位回答も多い。ホースでは全5品目、ベルトでは伝動歯付とプーリを除く5品目で上位2回答計が下位2回答を上回った。特にホースでは全品目がその差が2ケタ以上で、2022年の好調が持続する予想が多い。ベルトも引き続き伝動は伸び悩むものの、搬送は上向いていくとの見方が強く、増加への期待が大きく出た結果となった。

 ■3年後の売上高予想
 全品目で中位回答「90~110%」が最多回答となったが、伸びるとみる「110%超」の回答が前年調査に比べ上回ったのは、伝動歯付とプーリ、搬送樹脂の3品目のみ。それ以外は期待値を落としている(伝動Vは変わらず)。特に搬送ゴム、同その他、ゴムホースの3品目は、「110%超」とする回答が「90%未満」よりも低かった。

 ■物価高騰への対応
 物価高騰に伴う給与・賃金・賞与等への取り組みについてのアンケート結果を集計(複数回答)。それによると、「基本給などで定期昇給を行った、または予定している」が最多回答の21社、「賞与などの一時金で物価対策を実施した、または予定している」が15社と続き、「給与規程等を改訂し物価上昇手当や家族手当など手当金額を増額した、または予定している」が4社だった。また、自由意見として「決算賞与を実施している」との回答も1社あった。その一方、「特に対策はしていない」との回答も13社あった。

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