【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、期先横ばい、逆サヤは拡大
連載 2021-01-25
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=240円水準で揉み合う展開になった。週を通じて玉整理中心の小動きに終始しており、明確な方向性を打ち出せていない。出来高も低迷しており、積極的な売買は見送られている。

上海ゴム先物相場も1トン=1万4,000元台で膠着気味の展開になった。1万4,000元割れに抵抗を見せる一方、1万5,000元台までコアレンジを切り上げるだけのエネルギーもなく、決定打を欠いている。
マーケット全体を見渡すと、1月20日には米国でバイデン新大統領の就任式が行われ、大規模な経済対策に対する期待感が強くなっている。すでに1兆9,000億ドルの大型経済対策案が発表済だが、それを実現するための調整が本格化することになる。素材需要全体の押し上げ効果が期待でき、非鉄金属や原油相場などは底固く推移している。
ただ、足元では欧米に加えて中国でも新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感が強くなっており、米国株は過去最高値を更新しているが、資源価格は高止まり傾向に留まっている。こうした中、ゴム相場のみが明確なトレンド形成を進めるのは難しかった。
中長期的な需要環境の回復に対しては高い信頼感があるものの、中国では2,000万人以上がロックダウン(都市封鎖)の対象になっていると報じられており、2月の春節に向けてどのような感染状況になっているのか先読みが難しい状況にある。このため、「米国の財政政策に対する期待感」と「中国などのパンデミックに対する警戒感」が綱引きとなり、明確な方向性を打ち出せていない。
JPXゴム先物相場に関しては、期先がほぼ横ばいでの推移になる一方、当限の急伸地合が続いている。1月21日終値だと当限(1月限)の338.00円に対して期先(6月限)は241.90円となっており、当先で96.10円と異常な逆サヤ(期近高・期先安)が形成されている。受渡しを前にショート・スクィーズが行われている模様であり、2月限も275.30円とプレミアムが加算されている。25日が納会になるが、そこで三角持ち合い相場をブレイクする新たな動きがみられるかが焦点になる。
タイ中央ゴム市場の現物相場は、21日時点でUSSが前週比1.0%安の1キロ=56.69バーツ、RSSが同3.8%安の59.10バーツ。集荷量が安定していることもあり、産地相場はやや上値が重かった。ただ、産地主導で値下がりを打診するような動きはみられず、消費地相場と同様に動意を欠いた。今後はウインタリング(落葉期)に向かうが、産地主導の価格形成がみられるかも注目される。
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