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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、調整売り優勢、産地も急落

連載 2020-09-14

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=180円水準まで下落する展開になった。産地相場の急伸地合を背景に8月31日高値は205.50円に達していたが、短期的な過熱感が強まる中、調整売りが優勢になっている。しかも、この動きに連動して産地相場も調整色を強めたことで、8月25日以来の安値圏まで一気に値下がりする展開になった。

 上海ゴム先物相場も1トン=1万2,000元台後半でピークアウトし、1万2,000元台前半まで急落。8月以降の上げ幅がほぼ完全に相殺される急落地合になった。

 JPXゴム相場は、8月は170円台での保ち合い相場だったが、そこから僅か1週間強で200円の節目も上抜く展開になったことで、過熱感が強く警戒されていた。このため上昇相場の持続可能性が疑問視されており、調整売りが広がったことに対してはサプライズ感がなかった。しかし、この消費地相場の調整安と連動して産地相場も大きく値下りしたことが、ゴム相場環境を複雑化させている。単純な持高調整に過ぎないのか、産地主導の上昇地合が終了したのか、評価が定まっていない。

 タイ中央ゴム市場の現物相場は、9月10日時点でUSSが前週比9.3%安の1キロ=51.54バーツ、RSSが同9.3%安の54.49バーツと急落している。これが消費地相場の急落につれ安したのものであれば、徐々に地合は安定化し、産地需給のタイト感を背景とした上昇地合が再開されることになる。しかし、このタイミングで集荷量も大きく上振れしたことで、価格高騰が供給量の増加を招き、産地需給のタイト感が解消に向かっている可能性も想定しておく必要性が浮上している。USS、RSSともに今季最高の集荷量が報告されているが、特にRSSの集荷量は昨年のピーク水準とほぼ同レベルに達している。急激な価格高騰によって需給リバランスが進み、産地相場の高騰は目的を達した可能性が浮上している。

 9月下旬にかけては、このまま産地相場が上げ一服となったことを確認して調整局面をさらに進めるのか、それとも需給タイト感は十分に解消されていないとの評価から高騰を再開するのかが焦点になる。

 需要環境に関しては、総じて安定している。中国の8月新車販売台数は前年同月比11.6%増の218.6万台となっている。消費者マインドの改善に加え、政府のインフラ投資効果も大きいとみられる。

 タイヤ販売も欧米では新車用・買い替え用ともに前年比でのマイナス幅は縮小し、中国市場は安定的にプラス圏を維持できる状態になっている。引き続き、正常化に向かう需要と供給とのバランスが問われる。

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