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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、リスクオン環境でじり高

連載 2019-09-16



マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=170円水準まで値上がりする展開になった。米中対立激化に伴う世界経済の減速懸念もあり、8月26日には今年最安値となる155.40円を付けていた。しかし、9月入り後はリスク投資環境の地合が改善していることもあり、安値修正の動きが優勢になっている。

 上海ゴム先物相場は、9月入りと前後して上昇傾向を強め、1トン=1万1,100元台中盤から9月6日高値の1万2,210元まで大きく値位置を切り上げている。

 全般的に天然ゴム需給に関する新規材料は乏しく、リスクマーケット全体の地合との連動性が目立つ。8月は米中対立の激化を背景に株価や主要産業用素材市況が軒並み値崩れを起こし、銅相場などは約2年ぶりの安値を更新している。この流れの中でゴム相場も軟化したが、9月入り後は①10月上旬の米中通商協議開催の決定②中国が米国に対する追加関税から一部品目を適用除外にすると発表③トランプ米大統領が10月1日に予定されていた中国製品に対する制裁関税引き上げを10月15日に先送りすると発表④中国人民銀行(中央銀行)が9月16日付けで預金準備率の引き下げを行うと発表したことなどが、リスクオフ圧力に一服感をもたらしている。

 中国は10月1日に建国70周年を控えており、祝賀ムードを崩すような金融市場の混乱は望んでいない。こうした中国の政治事情に米国側も一定の配慮を見せていることが、資源価格全体を下支えしており、ゴム相場に対しても安値からの切り返しを促している。

 一方、東南アジアはモンスーンシーズンに入っているが、タイ中央ゴム市場におけるUSSの集荷量は今季最高レベルを維持している。土壌水分不足が緩和される中、農産物生産全体が安定している。RSSでは若干の売り渋り傾向も観測されるが、産地相場の値動きは鈍い。9月12日時点ではUSSが前週比1.7%安の1キロ=40.15バーツ、RSSが同3.2%安の41.71バーツとなっているが、これは前週の上昇地合の反動安であり、産地相場は明確なトレンドを形成できていない。

 東京ゴム市場では、当先で緩やかな順サヤ(期近安・期先高)が形成されている。リスクオン環境で期先限月が地合を引き締めているが、当限の値動きが鈍いことが窺える。

 ただ、9月入りしてからは売買高が極端な落ち込みをみせており、積極的な売買は行われていない。リスクオン環境のマイルドなサポートが確認できるが、積極的に上値を買い進むまでの勢いはない。概ねここ最近のレンジ内での反発力に留まっている。 

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