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【特集】ゴム企業と睡眠

住友理工、「モニライフ」―睡眠状態、病気の予兆の把握に期待

会員限定 ラバーインダストリー 2023-11-29

 住友理工が手掛ける柔軟圧電体動センサ「モニライフ」。心拍、呼吸など体動に基づく微振動を検知することで、睡眠の状態だけでなく、病気の予兆などを捉えることが期待されている。同製品の開発にあたって生きたのが、創業以来培ってきたコアコンピタンス「高分子材料技術」。7月24日には、愛知県発明協会が主催する「令和5年度愛知発明表彰」において、発明奨励賞を受賞した。「自動車(モビリティ)」、「インフラ・住環境」、「エレクトロニクス」、「ヘルスケア」の4事業で先進的なモノづくりを進めてきた同社が、「モニライフ」で描く未来とは。

柔軟圧電 体動センサ「モニライフ」

柔軟導電ゴム材料「スマートラバー(SR)」で培った技術を睡眠分野へ

「モニライフ」開発のきっかけは、「スマートラバー(SR)センサ」という体圧分布センサだ。ヘルスケア事業で従来から扱っていた独自開発の柔軟導電ゴム材料「スマートラバー(SR)」を活用し製品化したもので、「圧力センサであるSRセンサとは原理が異なるが、体圧だけでなく、心拍や呼吸由来の微振動も感知できると、睡眠分野での応用が可能になるのではないかと考え、改良を重ねた」(渡辺祥平住友理工健康介護事業室兼新商品センター新商品企画部担当課長)という。

モニライフとは

 モニライフは、「SRセンサ」技術を応用した圧電式のセンサだ。圧電層と、圧電層の両面に電極層を配置した積層体で、エラストマーと圧電体、導電体を最適に複合化する事で、圧電層と電極層に柔軟性を付与し、微弱な振動の検知を可能にしている。これによりわずかに触れるだけで心拍や呼吸など体動由来の振動を検知することができる。2019年にモニター版として発売した。

「モニライフ」の原理


 「初めは大阪大学で心不全患者の呼吸安定性を監視する目的で使用していた。在宅療養する心不全患者を医師が遠隔で観察し、得られるデータを基に、再発重症化する前に来院を促す治験にご活用頂いた」(同)。睡眠状態は、モニライフから得られるデータを基に解析する。睡眠は脳波で計測することがスタンダードだが、計測するためのセンサを頭部に装着する必要があり、他のセンサに関しても呼吸センサは腹部に、心拍は胸部に直接センサを接触させなければならないため、拘束感や使用者の違和感が課題となっていた。

「モニライフ」の装着ハードルにおける優位性


 その点モニライフは、エアコンの風も振動として拾うほど優れた感知能力を持ちつつ、ベッドシーツの下に入れて使用できるため拘束感や違和感がなく、従来の圧電センサでは両立が困難だった「感度」と「装着ハードルの低さ」を両立した。薄く、柔らかい素材であるため、使用者の睡眠を邪魔することなくデータを取得することが可能だ。シングルベッドの横幅と同等のため、ベッドのどの部分に寝てもデータを計測することができる。

 また、感度が高く、高精度なデータが取れることも特長。微小な振動波形を計測できるため、安静に寝ていると波形の中に心拍由来の振動波形と呼吸由来の振動波形が表示される。同社は、それらを1つの波形から取り出し、2つの波形としてそれぞれの解析を行っている。特に心拍は、その波形の形状によって疾病が分類できるほど重要なデータだ。精度の高いデータが取得できれば、様々な疾病の早期発見、早期治療にも役立つ。

生波形から呼吸成分と心拍成分の2つの波形を取り出し、解析する


圧電性と柔軟性の両立

「感度」と「装着ハードルの低さ」の両立には、圧電性と柔軟性を両立する必要がある。しかし、

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