燃料電池トラック向け製品を開発・量産
住友理工、水素社会への対応に向け製品開発を推進
タイヤ 2024-07-24
住友理工は、カーボンニュートラルおよび水素社会の実現に向けた事業活動を推進しており、現在各所で運用を開始している燃料電池トラック(以下、FC トラック)用防振ゴム、ホースなどの製品開発・ 量産を行っている。
同社が現在量産を行っているのは、Commercial Japan Partnership Technologies が企画している小型のFCトラックに向けた製品。主な製品としては3つで、1つ目は水素タンクマウント。水素タンクをボディー部分に固定するために取り付けられる防振ゴムで、水素タンクの安定支持の役割を担い、タンクバルブからの振動低減に貢献する。

水素タンクマウント
2つ目は、水素タンクに充填された水素をFC スタックへ供給する水素ホース。車両サイズが大きいトラックへ水素を供給するため、乗用車のホースよりも長尺化したことに加え、分子量が小さい水素に対する非常に高度なシール性要求に応えている。

水素ホース
3つ目は、FCセル用ガスケット。セパレータと呼ばれる板状の部材や発電部材などからなるセルの構成部品のうち、水素、酸素、水の漏れを防ぐゴム製シール部材。FC スタックはセル 330 枚が積層された構造で、これら 1 枚 1 枚にセル用ガスケットが搭載されている。 また、セル用ガスケットは氷点下から 100℃以上の広い温度領域において高いシール性を発揮し、燃料電池車の長期安全性、高効率な発電性能に貢献している。

FCセル用ガスケット
走行時のCO2排出がゼロであり、短時間での燃料補給が可能な水素技術は、今後の物流業界において活用が有効だと考えられている。同社は、今後も FC システムを導入した商用車に向けて、さらなる開発を進めていく方針。
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