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17件の中から技術賞1件、作品賞4件、業績賞1件の計6件が受賞

日本免震構造協会、第27回協会賞受賞作品を発表

その他 2026-04-08

 日本免震構造協会(中澤昭伸会長)は3月26日、Webで会見を行い「第27回日本免震構造協会賞」の受賞結果を発表した。

 同賞は免震構造等の技術の進歩および適正な普及発展に貢献した個人、法人および団体を対象に与えられるもので、2000年から実施している。

 冒頭、中澤会長が「全国的に大きな地震が2~3年の割合で発生しているが、免震建物では被害がなかったという数多くの報告を受けている。一方、耐震建物では震度5くらいの場合、建物は健全だが内部は被害を受けているとの報告が少なくない。しかし報道では発表されないので、一般の方々には理解されていないのが現状だ。免震と耐震のこうした違いを含めて、(免震構造について)広く説明しながら理解を得ていきたい」とあいさつした。

 続いて、受賞作品が発表された。今回は17件の応募の中から、技術賞1件、作品賞4件、業績賞1件の計6件が受賞した。技術賞は「建物自体を制振装置化し超高層の課題を解決『BILMUS』」(清水建設)。BILMUSは上層階と下層階を結合部により分離することで、建物全体の質量を制振効果として活用するシステム。上下層が互いに揺れを打ち消し合うことで、従来は制御困難だった建物頂部の揺れを抑えながら、建物全体の耐震性を向上。超高層建築が抱える地震・長周期地震動への課題を根本から解決した点が評価された。

 作品賞では、中間免震技術を核としたサーキュラー建築の先駆的なモデルとして提示した「中央日土地博多駅前ビル」(竹中工務店)、免震として地震力を低減しながらデザインと機能の統合を実現した「ニコン本社/イノベーションセンター」(ニコン/三菱地所設計)、地上165メートルの超高層建築にコアウォール免震構造を採用した「TODA BUILDING」(戸田建設)、斜面地を活用し、免震のメリットを生かして移動空間に魅力を与えている「中央大学駿河台キャンパス」(中央大学/日建設計)の4件が選出された。

 業績賞では「建物の耐震性と微振動性能を両立するマルチステップ免震」(清水建設)が受賞。マルチステップ免震は積層ゴム、剛すべり支承、弾性すべり支承、という複数の免震デバイスを最適に組み合わせたもの。それにより、長年両立が困難とされてきた耐震性能と微振動性能という相反要求に対し、解決策を提示した点が評価された。

 表彰委員会委員長の山梨知彦氏は、今回の応募作品について、「ゼロからの新しいアイデアではなく、既存のアイデアを組み合わせて応用し、洗練されたものが多かった。また、高層ビルに限らず、中低層の作品もあり、バラエティに富んでいる。免震建物の成熟、普及を感じられる内容だった」と総括した。

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