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能登半島地震でも免震構造が効果

日本免震構造協会、通常総会・懇親会を開催

その他 2024-06-21

 日本免震構造協会(中澤昭伸会長=織本構造設計)は6月14日、明治記念館(東京都港区)で2024年度通常総会および懇親会を開催した。当日は会員企業や来賓など134人が出席した。

あいさつする中澤会長


 懇親会では冒頭、同会の通常総会が滞りなく終了したことを報告した後、中澤会長が概略以下のようにあいさつした。

 「免震建物は大地震でも、建物そのものはもちろん、建物の中もほとんど被害がないことが報告されている。これは画期的なことだ。

 今年1月に発生した能登半島地震でもその効果を発揮した。石川県七尾市の恵寿総合病院は、本館に免震構造を採用しており、手術室を含む建物内部に全く被害がなかった。耐震構造だった別館は、建物の被害は軽微だったものの、内部の被害が大きく、医療活動の継続が困難になった。職員・患者ともに本館に移ることで業務を継続できたとして、病院の方からも感謝されている。

 同病院では2007年の地震での被害を受け、本館建て直しの際に免震構造を採用した。コスト面での不安もあったというが、コンペの際に通常工法と全く変わらない金額で驚いたという。免震構造は高コストという印象があるが、初めから免震構造ありきの設計では大きな金額にはならない。安全で経済的な計画が実現できることを、この事例で確信できた。

 免震・制振構造は特殊な工法ではなくなってきている。当会ではそのことを一般の方々にも認識してもらえるよう、普及啓発活動を続けていく」

 続いて、来賓を代表して今村敬国土交通省住宅局建築指導課長と竹内徹日本建築学会会長が祝辞を述べ、日本建築構造技術者協会の小林秀雄氏が乾杯の発声を行い歓談に入った。

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