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旭カーボン本社を訪問

日本ゴム精練工業会、見学会と平成30年度臨時総会を開催

その他 2018-10-25

旭カーボンでの集合写真

 
 日本ゴム精練工業会(会長=野田明志TPRノブカワ社長、会員24社)は10月18日、会員ら24社から29人が参加し「見学会」及び「平成30年度臨時総会」を、新潟県新潟市及び新発田市で開催した。

 18日は新潟市東区の旭カーボン本社前に13時に集合し、工場を見学した。まず概要として①カーボンブラックとは②用途③生産方法④工場工程、の順に説明を受けた。同社ではカーボンブラックを75種類生産しており、工程概要は反応炉にあらかじめ熱した油やガスの燃料と高温空気を入れ、高温燃焼ガスを発生させ、この雰囲気中に原料油を噴霧し、カーボンブラックを生成、その後冷却水をカーボンブラックに噴霧し生成反応を停止。カーボンブラックと副生ガスはバッグフィルターで分離。この時カーボンブラックは粉末状だが、造粒機で水と混合しペレット状に加工される。貯蔵されたカーボンブラックはバルク輸送(トラック、貨物列車)・フレキシブルコンテナなど顧客ニーズに合った輸送形態で出荷、という過程と説明された。

 また同工場は、生産過程で発生するガスを利用した自家発電で工場内設備電力を100%賄っているほか、一部は近隣企業及び電力事業会社に売電している。発電時に発生するCO2は固形化し、近隣の製紙企業に供給している。また工場内の工業用水は、使用後一部を貯水槽に回収し再利用するなど環境負荷を最低限に抑え、クリーンな工場づくりを実践していると説明された。このうち見学したのは、発電エリア、排水処理エリア、重油タンクエリア、カーボンプラントコントロールルーム、反応炉、電子顕微鏡室、ゴム試験室で、参加者は興味深く見入っていた。

臨時総会であいさつする野田会長


 その後、新発田市の月岡温泉白玉の湯・泉慶へ移動し、16時から17時30分の間「平成30年度臨時総会」を開催した。冒頭野田会長が「ゴム精練業界の状況は、今年上半期比較的堅調に推移したものの、足元の9-10月は少し陰りが見えつつあるのではないか。また各種原材料の価格上昇に加え、中国の環境規制の影響で一部が入手困難になっている。さらに物流費も上昇するなど、これらコストアップ要因にどの様に対応していくかが課題ではないか。また人手不足や化学物質管理規制への対応などに関して、より一層会員同士のタイムリーな情報交換が必要となっている。工業会をこの様な場として活用して頂けるように、各種活動を活発化していくのでご協力をお願いしたい」とあいさつした。臨時総会では①東部工業用ゴム製品卸商業組合工業用品部会商工懇談会報告②賛助会員加入報告③30周年記念行事の件④第5回研修会の件⑤第2回海外研修会の件⑥2019年度役員改選案の各議案審議が行われた。

 このうち工業会の存在感向上のためには会員拡充が不可欠で、正会員及び賛助会員勧誘の継続を決議した。なお8月28日付で、住友化学合成ゴム部が賛助会員として加入したことが報告された。

 2019年度役員改選では、設立30周年記念式典を来年に控えるのに加え、人脈の継続や研修会・懇談会出席など、活発化している工業会活動の継続・拡大には野田会長の続投が不可欠と諮られ、満場一致で留任が決議された。

 設立30周年記念式典は、来年4月12日16時から18時の間、東京・銀座のホテルモントレ銀座での開催が正式に決定した。人数、来賓や歴代会長など招待者候補、記念品など概要に関して議論され、詳細は今後理事会で詰めていく。

 また第5回研修会に関しては今年12月頃に化学物質関連に関してのセミナーを開催することが決定し、第2回海外研修会も来年中に開催予定で台湾のゴム機械メーカーへの訪問要望が多かった。

 19時からは「懇親会」が開催され、翌日は懇親ゴルフコンペが、新発田市の小中峰ゴルフ倶楽部で開催された。

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